熊本県産の米粉と自社の養鶏場で大切に飼育されている鶏が産んだ卵を使ってつくるシフォンケーキは、小麦粉不使用のグルテンフリー。膨張剤を使用していませんが、米粉のふんわりモチモチとした食感を楽しむことができます。味はプレーン、チョコレート、バナナの3種類。竹田市にある直営カフェ「caprices(カプリセス)」では、イートイン・テイクアウトとも可能です。
400円(税込)/1個
・caprices
大分県竹田市大字拝田原234-1
Tel.070-3163-6892
大分県から熊本県にかけて広がる阿蘇くじゅう国立公園の一角にあるくじゅう高原は、雄大な阿蘇の山々に抱かれた自然豊かなエリア。ここで養鶏場を営んでいる有限会社 グリーンファーム久住(以下、グリーンファーム久住)では、自然の中でストレスなくのびのびと暮らす鶏たちが産んだ自慢の卵を使い、さまざまなスイーツをつくり、直営カフェ「caprices(カプリセス)」で販売しています。
今回、米粉を使ったスイーツづくりに使用する急速冷凍庫などの機器を新たに導入し、品質と作業効率のアップを実現しました。
大分県から熊本県阿蘇へ向かう国道57号のそばにあるカフェ「caprices」では、地元の素材を使ったケーキや焼き菓子などを販売しています。カフェの運営を手がけるのは、養鶏業を営む代表取締役の荒牧大貴さんです。ストレスを最小限に抑え、平飼いでのびのびと飼育する鶏たちが産む卵は、栄養価が高く、濃厚な旨みが詰まった品質の高いもので、プロの料理人も多く利用しています。
そんな荒牧さんが地元でカフェをオープンさせたのは、2022年8月のこと。
「地域で少子高齢化が進む中、コロナの影響もあり、人が集まる場が減ってきていると感じていました。さらに鳥インフルエンザも懸念され、人の往来も制限せざるを得なくなった状況にあって、家業である養鶏場と地域の人たちと接点を持てる場をつくってみてはと考えました」と荒牧さんは振り返ります。
店内で焼き上げている米粉を使ったシフォンケーキやクッキーは、粗熱を取って冷凍保存します。
荒牧さんは「ここでつくるスイーツは添加物を使用していないため、雑菌による品質の低下が課題でした。そこで菌の発生をできるだけ抑えるために、急速に冷凍できる設備を導入しました。米粉のスイーツは冷凍保存に向いていることもあり、品質はもちろん、おいしさをキープできるようになりました」と話します。
急速冷凍で素早く処理できるようになったことで、スイーツづくりを担当するスタッフも効率よく作業を進められるようになったそうです。さらに急速冷凍機と一緒に大型の冷凍庫も設置して十分なストックを確保したほか、店内には冷凍ショーケースを設置し、お客様が好きなときに購入できるようにしました。
カフェで提供するのは、グルテンフリーのスイーツをはじめ、地元産の素材を使ったものが中心です。「グルテンフリーにこだわったのは、私の娘が食物アレルギーをもっていたことも理由の一つで、添加物を使わない安心・安全なものを提供したいという親目線の思いがありました」と荒牧さんは話します。
米粉を使ったグルテンフリーの「たまご屋さんのシフォンケーキ」は、米粉と自社の養鶏場で生産する卵を使い、モチモチとした食感を楽しめるように米粉にタピオカ粉をブレンドしています。膨張剤を使わずに、米粉だけでふんわり感を出すのはかなり難しいのですが、当社の養鶏場で生産している卵を使うと気泡がつぶれず、ふわふわに仕上がったそうです。また、ほど良いモチモチ感があるので、カフェタイムのおやつとしてはもちろん、ちょっとした食事にもお勧めだそうです。
荒牧さんは「グルテンフリーのスイーツを提供しているカフェがあると知ったお客様が親子で来店し、『たまご屋さんのシフォンケーキ』を食べて『おいしいね。一緒に食べられて良かったね』と話しているのを聞き、私たちが目指していたことが一つ実現したとうれしく感じました」と笑顔で話してくれました。
荒牧さんに米粉を使ったスイーツの開発について、「米粉のニースはまだまだあると考えています。これからも米粉を積極的に使って、スイーツづくりをしていきたいと考えています。『たまご屋さんのシフォンケーキ』は、現在3つのフレーバーで展開していますが、今後は季節のフレーバーなども試してみたいですね。バリエーションを増やすことで、リピーターも多くなることを期待しています。私たちがつくっている米粉スイーツは、今のところこのカフェでのみの販売ですが、将来的には通信販売などで広く展開していきたいと考えています」と話します。
さらに「米粉をはじめ、地元産の素材を使うことで、地域のさまざまな人たちとつながることができます。このカフェにたくさんの人が訪れ、にぎわいの場となることで、地元で暮らす若い人たちも増え、街全体に活気が生まれるといいですね」とも話してくれました。
カフェでは、地元のスイーツショップで製造している米粉スイーツも販売。これからも地元の人たちと連携して、米粉スイーツの販売に取り組んでいくとのことです。