新ジャンルの米粉商品で新たな食の楽しみを

株式会社神明は、2022年に米粉を主原料にした植物性のチーズ代替品の販売を開始。餅スイーツなどの製造を手掛ける子会社のモチクリームジャパンの餅加工技術を活用し、チーズ同様の食感と発酵の旨味を持つ新しい米粉商品として注目を集めました。

知名度向上を目指して商品をリニューアル

知名度向上を目指して商品をリニューアル

今回、商品名やパッケージ、容量、中身をリニューアル。その内容を成長戦略室マネージャーの上野大吾さんに伺いました。

「商品名を『お米のシュレッド』として、よりお客さまに手にとっていただきやすいように容量を200gから100gにし、元々チーズっぽいナチュラルなクリーム色のパッケージを黒色に変更して、パッとひと目で米とわかりやすいインパクトのあるものにしました。中身についても米粉の比率を増やすなど改善しています」

成長戦略室部長の若林歩さんは、認知度の向上が重要だと語ります。
「新しいジャンルの商品なので、消費者の皆さんへの認知を広げたいと考えて改善を続けています。ほかにも、展示会に出店したり、専用サイトを構築したり、試行錯誤しながら情報発信を続けています」

知名度向上を目指して商品をリニューアル
地球にも身体にもやさしいチーズ代替食。楽しみ方は多様

地球にも身体にもやさしいチーズ代替食。楽しみ方は多様

『お米のシュレッド』とはどのような商品なのか、上野さんに詳しく伺いました。
「この商品はこれまでアレルギーなど、さまざまな理由でチーズが食べられなかった方に、チーズの味や食感を楽しんでいただきたいという思いで開発しました。アレルギー特定原材料等28品目を不使用。乳製品など動物由来のものは使用せず、餅粉と植物油脂を主体にすることで環境負荷を軽減。地球にも身体にもやさしい植物性チーズ代替食品です」
コレステロールも99%オフ(ゴーダチーズ(日本食品標準成分表2022)比)なので、健康管理でチーズを控えていた方にも新たな食の楽しみを提供しています。
「お客様相談室に『子どもが乳アレルギーでチーズを食べられなかったけど、この商品をとても喜んでおいしそうに食べた』という声が届きました。それを聞いたときに本当にうれしくなりました」(上野さん)

加熱することでとろける「お米のシュレッド」は、伸びが良く、口に含むともっちりとしてチーズのような発酵の香りが感じられます。
「もちもちとした米粉の特徴を生かしつつ、植物油脂を混ぜ込むことで、熱を加えたときのとろけるような滑らかな食感を出しています。また、ライスプロテインをアミノ酸に分解したものを旨味成分として入れて、チーズの発酵食品としての独特な風味を出すために隠し味的に酒粕も入れています」(上野さん)
米粉の比率を増やしすぎるともちもち感が出過ぎて、粉っぽさが出てしまうなど、原料の配合バランスの調整が開発のポイントだったそうです。

「お米のシュレッド」の楽しみ方は多種多様。とろけるチーズのようにパンに載せて焼けば香ばしく、バターや小麦粉の代わりにホワイトソースを再現すれば、舌触りが滑らかなグラタンが出来上がります。お二人に好きな食べ方を教えていただきました。
「私は『お米のシュレッド』だけを焼くのが好きです。それ自体に糖質の甘みみたいなものを感じるので、パリッと焼くと、チーズとお煎餅の間のような、とても後を引くおつまみになります」(若林さん)
「自分は、やっぱりピザ風トーストですね。パンにマヨネーズとケチャップをかけて、そこに、『お米のシュレッド』を散らして焼く。オーソドックスですけど、1番おいしい。チーズフォンデュなどもお勧めです。『お米のシュレッド』自体が、炭水化物、糖質ですので、野菜と非常にマッチします」(上野さん)

地球にも身体にもやさしいチーズ代替食。楽しみ方は多様
今後もさらに改善は続く

今後もさらに改善は続く

「今後は消費者調査などにも力を入れ、ターゲットを明確にしていきます」と若林さん。
上野さんも「おいしさの面でもまだまだ改善できると考えています。チーズっぽさや乳感をより高め、食感ももっとチーズに近づけたいですね」と語ります。
おいしさを極めて、認知も拡大していく。さらに、その先のことも考えているそうです。 「この商品は、英語で言えばヴィーガンチーズ。最近のエシカル消費の傾向を考えると、動物性の原料が入っていないこの商品には、海外でも需要があると考えています。また、お米は冷凍にも耐性が強いので、風味を変えずに冷凍化もできるかも。まだまだ可能性がたくさんあります」(若林さん)