「お米の粉 手作りパンの薄力粉」は、家庭でも米粉を使いやすいようにパック詰めした商品。パンづくりのほか、シフォンケーキなどにも使えます。「ノングルテン米粉」の認証マークが入ったチャック付きのスタンドタイプのほか、通販サイト利用者向けにかさばらない袋入りタイプも扱っています。原料米は、米粉加工用に開発された品種「笑みたわわ」を使用しています。業務用の「焙煎玄米粉」と「お米の粉 強力米粉」は、今回パッケージデザインをリニューアルしました。
お米の粉 手作りパンの薄力粉 346円(税込・標準小売価格)/450g
焙煎玄米粉 9,900円(税込)※1/20kg
お米の粉 強力米粉 9,900円(税込)※1/20kg
※1:自社ECサイト参考価格
・自社ECサイト
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創業から70年以上にわたり、米や大豆、ゴマなどの加工を手がけてきた株式会社波里(以下、波里)。米の加工に関しては、国内外から良質な原料を調達し、素材の特性や用途に合わせた製品づくりに取り組んでいます。今回、2023年に販売した家庭向け米粉「お米の粉 手作りパンの薄力粉」に米粉加工用に開発された品種「笑みたわわ」を使用したほか、スタンドタイプのパッケージを採用するなど、使いやすさにもこだわりました。
米をはじめ、大豆やゴマなどの製粉加工を手がけてきた波里。1951年に上新粉や餅粉の加工を開始するなど、国内でも早くから米粉の製品化に取り組んできました。当時は和菓子の材料として米粉を使用することが主流でしたが、近年は家庭用・業務用ともに小麦アレルギーに対応したものやグルテンフリー製品のニーズが高まり、さまざまな用途に使える製品を展開しています。2021年にはノングルテン米粉の製造工程管理認証を取得し、厳しい品質管理のもと良質な製品づくりを進めています。
「ひと口に“米粉”といっても、製粉に適した品種というものがあります。米粉のみでパンをつくる場合『ミズホチカラ』という品種がよく使われますが、今回当社では『笑みたわわ』という新しい品種も使っています」と話すのは、執行役員の大内靖夫さんです。
米粉に多く用いられている「ミズホチカラ」は九州地方が主な産地で、アミロースを多く含んでいるため、粉砕加工してもデンプンの損傷が少ないこと、一般的な食用米よりも収量が多いことが特徴です。新品種の「笑みたわわ」は、この「ミズホチカラ」をベースに改良したもので、関東や北陸地方を中心に栽培されています。
大内さんは「『笑みたわわ』は、ここ栃木県でも栽培が可能です。地元で栽培した米を使うことで、地域の米農家の発展にも貢献できるのでは」と話します。
現在、波里では千葉県産の「笑みたわわ」を主に使用していますが、2024年からは栃木県内の米農家の協力のもと、地元産の米も使い始める予定です。九州から「ミズホチカラ」を調達する手間やコストの面でも、「笑みたわわ」を使うメリットがあると考えているそうです。
波里では「ミズホチカラ」と同等の品質をもつ「笑みたわわ」を地元で生産し、製品として消費者へ送り出すことで地域の活性化も目指しています。
新品種「笑みたわわ」を使用した「お米の粉 手作りパンの薄力粉」は、発売にあたりクッキングスクールに通う人たち約1万人にモニターとなってもらったそうです。
商品開発室・室長の黒田敬子さんは「モニターの皆さんからは『ふっくら・もっちりとしていて、おいしいパンがつくれた』『ミズホチカラの米粉と変わらない焼き上がりになった』といった声をいただきました」と手ごたえを話してくれました。
今回、家庭向け製品として開発した「お米の粉 手作りパンの薄力粉」は、波里で製造している「お米の粉」シリーズの一つです。製品化にあたり、チャック付きでスタンドタイプのパッケージを初めて採用しました。
「チャック付きパッケージは、1回で使い切れない場合の保存に困っているというお客様の声や、営業担当からの要望を以前から受けていたものでした。今回の米粉利用拡大支援対策事業で袋詰め用の機械を導入し、ようやく製品化できました」と話すのは、本社工場・工場長の五十嵐範彦さんです。
また、自社のECサイトでは、利用者の送料負担を軽減するために、かさばらない袋詰めタイプも扱っています。こちらの製品には、商品名や原材料などが記載されているシールを手で貼っていたそうですが、これも新たに自動で貼り付ける機械を導入しました。
「これまで1つずつ手作業で行っていたシール貼りが機械化され、作業が大幅に効率化されました」(五十嵐さん)
さらに2024年2月発売の業務用製品「焙煎玄米粉」「お米の粉 強力米粉」は、茶色のクラフト紙を使用し、デザインも新たなパッケージにリニューアルしました。 「それまで漢字表記だった当社ロゴを2023年に“namisato”に変更しました。書体もやわらかで親しみやすいイメージのものを選びました。これを機に既存製品も順次パッケージの変更を進めていく予定です」(黒田さん)
最後に、今後の米粉製品の展望を伺いました。
大内さんは「地元産の『笑みたわわ』を使った製品づくりを進めていくとともに、ほかの品種でも製品化に取り組んでいきたいと考えています。例えば『亜細亜のかおり』も、アミロースの含有量が多く米粉に向いている品種です。成分を詳細に分析し、どんな用途に適しているのかを見極めて、製品づくりに取り組みます」と話します。
黒田さんは「もっと多くの人に米粉を使ってもらえるように、当社サイトでレシピを発信して行きます。また、当社ECサイトからの購入した皆さんのレビューを製品開発に生かしていきたいですね」と話してくれました。