高まる米粉需要に応え、米粉消費のさらなる後押しを

米粉はもっちり・しっとり感が特長。その一方で、パンなどをつくる際に、うまく膨らまない場合があります。家庭用はもちろん業務用にも広く米粉を販売しているニップンだからこそ、「うまく使えない製品」は拡販できません。
「そこで米粉の良さであるもっちり感は向上させながら、よりしっとり、それでいてふんわりしたおいしいパンがつくれるよう、挑戦を続けてきました」

米粉に使う米を栽培する農家とも会話を重ね、品種を改良したり工夫したりと、何年にもわたって試作を繰り返したといいます。さらにこれまで協業してきた秋田県の農家だけでなく、新たに茨城県の農家とも協力関係を構築。ニップンが求める米粉に最適な米を栽培してもらうことができたと開発担当者は話します。
「米が収穫できるのは1年に1回。その年に穫れた米で米粉を製粉し、パンやシフォンケーキ、天ぷらなどさまざまな料理をつくっては試食し、試行錯誤を続けました。農家さんの元には足繁く通い、ニップンが求めている米粉の特性がどうやったら出せるかを話し合ってきました」

その結果、これまでなかった高品質の米粉が完成したと開発担当者は笑顔で話します。さらに、小麦粉の加工とは生産ラインを分けることで、他食材の混入を防ぐ製造体制を完備。「本品製造工場では、小麦・卵・乳成分を含む製品を生産しております」という、コンタミネーションに関する注意書きを外すこともでき、完全なグルテンフリー製品の発売を達成できたのです。
そのように米の品種にまでこだわったのも、昨今さらに米粉へのニーズが高まっているからだと話します。

「グルテンフリーの商品を要望される声は、幼稚園や保育園からも多く聞かれます。あとは学校給食の現場からですね。たくさんのさまざまな要望を持った方にも、当社の製品を使ってつくった料理を楽しんでもらいたい。そのためにもグルテンフリーとして安心して使っていただける米粉の発売は重要だったのです」
これまでは小麦製品と同じ環境での製造だったため、コンタミ表示が必要となり、要望に対して100％応えられていたわけではありませんでした。今回の開発でコンタミ表示が外せ、「グルテンフリー」の表示ができることになります。
「販路が広がることになり、ニップンとしてもより多くの消費者の方へ商品を届けることができます。新しい米粉商品は、これまで以上の生産量で、全国で販売を展開する予定です」

また新たな商品が発売された際には、ご家庭での米粉消費を後押ししたいと話します。
「100年以上にわたって小麦粉を多くの日本のご家庭にお届けしてきたニップンだからこそ、米粉も同じように日本のさまざまなご家庭に届けたい。そうして食の選択肢を広げていきたいと考えています」
ニップンの技術だからこそできた、これまでにない高品質の米粉。多くのご家庭に届くことで、日本の食卓に米粉が浸透し、米消費にもつながることでしょう。