ココロとカラダをおいしさと健康で満たす、老舗企業ひよ子の挑戦

「名菓ひよ子」といえば、福岡名物というだけでなく、その愛らしい天を見上げたひよこの姿を知らない人はいないであろう全国でも人気の和菓子。登場から110年以上も愛され続けるその「ひよ子」を販売しているのが、福岡県福岡市の株式会社ひよ子(以下、ひよ子)。数多くの和洋菓子を販売しているひよ子が、2024年2月1日に販売をスタートしたのが「hiyone」シリーズです。安心・安全な九州産の食材を使い、3大アレルゲンフリーのカラダにもココロにも良い米粉養生菓子の新ブランド。その発売に至る経緯、そして100年企業であるひよ子の未来への想いを、代表取締役社長である石坂淳子さんにお聞きしました。

ココロとカラダをおいしさと健康で満たす、老舗企業ひよ子の挑戦
おいしいをみんなで楽しめる新ブランド「hiyone」誕生

おいしいをみんなで楽しめる新ブランド「hiyone」誕生

「hiyone」シリーズは、3大アレルゲンとされる卵・乳・小麦を使わないことをテーマに新たに生まれたひよ子のブランドです。第1弾として「米粉のクッキー ひよね」「米粉のカップケーキ ひよね」「米粉の食パン ひよね<冷凍>」が発売されました。
名前を見てもわかるとおり、どれも小麦粉の代わりに米粉を使っています。その米粉には国産のもの、中でも九州産「ミズホチカラ」などでつくった米粉だけを使うというこだわりよう。クッキーの味種には、さつまいも・トマト・えだまめ・にんじん・とうもろこし・かぼちゃ。カップケーキは、とうもろこし・にんじん・グリンピースの3種類。

「hiyone」シリーズには、3大アレルゲンだけでなく、特定原材料等(28品目)も使っていません。また、伝統的な和菓子がそうであるように、保存料も使っていません。野菜本来の甘みのおいしさと栄養を、お菓子を通して気軽に、誰にでも味わってもらえます。『養生菓子』として売り出したひよ子の精神をしっかりと受け継ぐブランドなのです」
「hiyone」は石坂社長が長年温め続けたブランドであり、ひよ子の未来のために、なによりもこれからの日本の未来と子どもたちのために実現したかった、悲願ともいえるプロジェクト「ウエルネスひよ子」の最初の一歩だそうです。
「米粉商品開発等支援対策事業のおかげでそれを実現することができたのです」

おいしいをみんなで楽しめる新ブランド「hiyone」誕生
ついに実現。ひよ子の悲願ともいえるプロジェクト

ついに実現。ひよ子の悲願ともいえるプロジェクト

「名菓ひよ子」は、保育園や幼稚園の入園・卒園のお祝いの品として贈られることも多くあるそうです。その「ひよ子」は黄味餡を小麦粉の皮でくるんだお菓子。
「卵と小麦にアレルギーをお持ちのお子様のために『ほかのお菓子はないか』『小麦粉や卵を使わないお菓子はないか』という問い合わせが昨今とくに増えていました」と石坂社長。お客様からのご要望にお応えできるお菓子はできないだろうかとずっと考えていたそうです。
「なにより、お子様みんなに同じものを食べてほしかったのです。食べられない子に渡すお菓子を、別の商品で代替することは簡単です。でもその時にみんなと一緒のものを食べられないお子様の気持ちは、満たされません。愛されるお菓子をつくりつづけた会社だからこそ、誰にでも喜んでもらえるお菓子を提供することは、使命だと感じていました」

「ウエルネスひよ子」プロジェクトの第一弾として「hiyone」の試作が始まって以来、毎週開催される会議に、石坂社長はすべて出席。味や見た目、製造が安定して行えるかまで議論を戦わせたそうです。商品ができてからも、新たなひよ子の顔となる新ブランドが多くの人の目に留まり、愛されるブランドに成長できるように、パッケージやロゴデザインなど、コミュニケーションの手法についても徹底的に議論し、「hiyone」をつくり上げていったそうです。

「アレルギーを持つ方にも安心して食べていただける商品とするため、コンタミネーションには徹底的に配慮し、異物混入などのリスクがない製造ラインを工場内に新設しました。その製造機械にも、本事業を活用しました。パッケージや広告などの企画・策定にも活用させていただきました。これまで『誰にでも楽しんでいただける新しいブランドをつくりたい』と願いながら、大きな投資額が必要なこともあり、挑戦に至りませんでしたが、今回の事業が背中を押してくれ、遂に実現することができたのです」

枠にとらわれず、大きな広がりを見せる「ウエルネスひよ子」プロジェクト

ひよ子が押し進める「hiyone」を含む「ウエルネスひよ子」プロジェクトには、米粉が大きな役割を果たす、と石坂社長は期待しています。

「今回の『hiyone』のラインナップには、和洋菓子だけでなく米粉食パンも肩を並べています。『養生』をテーマとして、枠にとらわれない商品をどんどん開発する予定です。おいしさをみんなで共有し、そしてココロとカラダが健康になる。そんな未来をひよ子がつくっていきたいと思っています。そこにはグルテンフリーで、なおかつ栄養価が高くアミノ酸バランスの良い、そして私たちが慣れ親しんだお米でできた米粉が大きな役割を担うと考えています」

枠にとらわれず、大きな広がりを見せる「ウエルネスひよ子」プロジェクト

すでに米粉を用いたおかゆの開発も完成間近だそうです。今後もさまざまな新しい養生食品がひよ子から登場する予定。
「こだわりたいのは九州産、福岡県産の食材を使うということ。110年以上にわたってひよ子を育てて愛していただいた地元の農家さんにお返しができれば、と考えています」と石坂社長は優しく笑って話します。

2月1日には地元新聞に1面広告を出稿し、華々しくデビューを飾った「hiyone」。ひよ子の直営店を始め、大手百貨店などのひよ子の店舗では、特設コーナーをつくって販売をスタートしています。長い歴史を誇る老舗企業が踏み出した一歩は、日本の食に新たな歴史を刻む挑戦の一歩でもあります。これからの「hiyone」そして「ウエルネスひよ子」プロジェクトから目が離せません。