株式会社BIOSSA（ビオッサ）

毎日食べたくなる、風味と食感を追求した米粉パン

米粉を使ったグルテンフリーのパンを製造販売する株式会社BIOSSA（以下BIOSSA）。小麦アレルギーを持つ人や美容・健康に関心の高い人に向けて、通販サイトでの販売を中心に商品を展開しています。このたび、ホテルやスーパー、ベーカリーなどからの大量発注に対応するため、2023年に埼玉県川口市に新たな工場を構え、同年12月から食パンなど定番商品の製造を本格稼働しました。

ふんわり軽やかな食感の米粉パンを目指して

米粉100％のパンを製造販売するBIOSSAは、2019年の設立以来、通販サイトと東京にある実店舗で販売を行ってきました。

ご自身も小麦アレルギーがあるという代表取締役の宮城伸夫さんは、BIOSSAで製造する米粉パンについて次のように話します。
「パンとしておいしくなくては、食べ続けることはできません。開発にあたっては、味や食感にこだわった製品を目指しました。米粉を使ったパンというのは、“もっちり食感”をウリにしているものが多くあります。この食感は米粉の特徴の一つと言えますが、それを『重い・お餅みたい』と感じてしまう人もいるようです。じつは私もその一人でした。このことから、小麦を使ったパンと同じ食感を生み出すためには、どうすれば良いかを考えました」

パン生地の膨らみ方や食感は、主原料である米粉に含まれているアミロースというタンパク質の量によって変わります。BIOSSAではさまざまな品種の米粉を試し、さらに米粉に加える増粘剤や水の配分などを細かく調整した結果、ようやく納得のいくものができたそうです。

「オーブンで焼くと、中はふわふわで軽く、ミミや外側はパリッとした食感になります。米が原料なので、ちょっぴりおかきのような香ばしさも楽しめます」と宮城さん。
実際にBIO食パンを手に取ってみると、米粉パンによくある少しずっしりとした感じはほとんどありませんでした。

埼玉県川口市に工場を新設し、定番5種類を量産

BIOSSAでは通販サイトのほか、東京・文京区の実店舗でも米粉パンを販売しています。宮城さんは「利用者の皆様からは『おいしい』という声を多数いただいております。おかげさまでリピート率も高く、購入個数も増加傾向です」と話します。

通販サイトで購入した商品は、冷凍便で発送されます。「冷凍品なら全国へ発送可能ですし、家庭の冷凍庫でも1カ月ほど保存できるので、まとめ買いをしても食品ロスを防げます。食べる前にレンジやオーブンで数分温めれば、いつでもおいしく食べることができる。これは冷えたご飯を温めると、おいしくなるのと同じです。米粉は小麦よりも保水率が良いので、再加熱してもふんわりとした食感になるのです」

BIOSSAが手がける米粉パンの評判は、食物アレルギーを持つ人たちが発信するSNSでも広がりを見せているほか、最近はスーパーやホテルなどから大口の注文も増えています。宮城さんたちは、米粉製品への関心の高さとニーズを実感したそうです。

これを受けてBIOSSAでは、2023年に埼玉県川口市に工場を新たに設置し、業務用の新商品を大量生産できる体制を整えました。アレルゲン物質をできる限り排除した新工場で製造するのは、BIO食パンやBIOバゲットなど定番5種類の米粉パンです。2023年12月に操業を開始した新工場は、2024年1月から本格稼働に入ります。これまでの少量多品種から大量生産に体制が変わるため、効率アップを図るには製造ラインやスタッフの配置などは、これから調整していく必要があると言います。
原材料の調合から整形・発酵、焼成までの工程を調整し、これまでと同じクオリティの製品づくりを進めていきます。

日本の米で作るグルテンフリーのパンを多くの人に届けたい

グルテンフリーという考え方は、日本よりも海外のほうが普及していますが、残念ながら味の点では少し劣るところがあると宮城さんは話します。

トライ＆エラーを重ねて開発し、ふんわり軽い食感が他社との差別化になっているBIOSSAの米粉パン。今後どのように展開していきたいかを宮城さんに伺いました。
「近年、和食が世界遺産になるなど、日本の食文化が海外で注目を集めています。その代表格である米は、とてもおいしいと広く知られるようになりました。そんな日本の米をパンという形で世界へ発信すれば、多くの人に受け入れてもらえると期待しています。さらに小麦アレルギーを持つ人はもちろん、パフォーマンス向上を目指しているアスリート、美容・健康を維持する目的でグルテンフリー中心の食事を取り入れている人にも、米粉パンを味わってほしいですね」

毎日食べるものだから、おいしいものを。ご飯を食べるような感覚で、朝の食卓に米粉パンを。BIOSSAでは、これからも誰もが豊かな食生活を楽しめるような製品づくりに取り組んでいきます。