おいしさと楽しい時間をみんなで分かち合うために

植物由来の原材料を使用し、体にやさしく味わい深いお菓子を製造販売している株式会社 禾(のぎ、以下禾)。「アレルギーや食事制限のある人も、そうでない人も、同じものを一緒に食べて“おいしい”時間を分かち合えたら」という想いから、米粉を使ったグルテンフリーのお菓子を考案。少し濃いめのフレーバーなど、大人向け商品の開発にも取り組んでいます。

おいしさと楽しい時間をみんなで分かち合うために
パッケージを一新し、手に取りやすいデザインに

パッケージを一新し、手に取りやすいデザインに

2023年にリニューアルした「おとなの玄米ポリッポリ」と「ヌカビスケット」。大きく変わった点は、パッケージのデザインです。
どちらの製品も、グルテンフリーであることがすぐわかるように、「たまご・乳製品・小麦粉不使用 GLUTEN-FREE, VEGAN」という表記をパッケージ上部の一番目立つ場所に入れています。「ヌカビスケット」は、裏面の原材料部分に記載する、製品や製造ラインで使用しているアレルゲン物質を大きな文字や赤字で表示しました。
そして容量を“食べきりサイズ”の40gに変更、さらに「おとなの玄米ポリッポリ」は長さ12cmだった従来品を、気軽につまめる8cmサイズにしました。これにより、輸送時に製品が折れてしまうという問題も解決したそうです。

代表取締役の中條淳子さんは、「お客様に一番伝えたいのは、この製品がグルテンフリーであることです。今回のデザイン変更では、それをアピールできるように、表示位置を上部に統一しました。お客様には『禾のお菓子はこの表示を目印に探せばいい』というメッセージにもなると思います。今後は、ほかの製品にもこのデザインを取り入れていきたいと考えています」と話します。

みんなで「わけっこ」して、一緒に味わう喜びを

体調管理の一貫として、ご自身も玄米菜食を実践してきたという中條さん。マクロビオティックの料理を提供するカフェの運営などを経て、2010年に禾を設立しました。
事業を始めて間もない2011年、東日本大震災が発生しました。「とにかく何かできることがあれば」という思いで被災地へ向かったところ、現地で目にしたのは、避難所で配布されるパンや牛乳などを口にできない人たちがいるという事実でした。「食物アレルギーを持つ人にとって、安心して食べられるものがない。これは非常に深刻な問題です。しかし、非常時ということもあり、それをうまく伝えることができないまま、困っていた人も多かったようです」(中條さん)

この経験から、中條さんたちは災害などの緊急時にもグルテンフリー食品はニーズが高いことを実感し、米粉を使ったお菓子の開発に注力します。

みんなで「わけっこ」して、一緒に味わう喜びを

会社の設立以来、禾では「わけっこできるよろこびを」をコンセプトに掲げ、製品づくりに取り組んでいます。「米粉を使った食品は、アレルギーや食事制限のある子どもたちが安心して食べられるものとして広く知られるようになってきました。でも米粉製品は、そういう人たちたけではなく、誰でもおいしく食べられます。例えば、アレルギーをもつ子どもが、『これ、おいしいよ』と言ってアレルギーのない子どもに米粉のお菓子を分けてあげて、一緒に同じものを食べる。子どもたちには「わけあう」ことでお互いをより理解できるようになる、それはとても貴重な経験になると考えています」(中條さん)

おいしい日本の米をもっと多くの人に伝えたい

おいしい日本の米をもっと多くの人に伝えたい

中條さんは「食物アレルギーや食事制限に悩まされている人は、大人にも多くいます。そんな人たちにも受け入れてもらえる製品づくりにも取り組んでいます」と話します。

その一環として開発された「おとなの玄米ポリッポリ」は、その名のとおり大人がメインターゲットです。黒コショウやゴマ塩といった、米粉製品ではあまり見かけないフレーバーを使い、少し濃いめの味に仕上げてあるのが特徴で、仕事の合間の息抜きやお酒のお供など、いろいろなシーンで手軽に楽しめるようになっています。「グルテンフリーの食品は、味が薄くて食べごたえに欠けるといった声をもとに、フレーバーの調合や歯ごたえを工夫し、大人でもおいしく食べられる製品を開発しました」と中條さんは話します。

2024年1月には、「きのこラーメン」やゆず胡椒味の新製品「グルテンフリークラッカー」も発売。中條さんたちは、新しい視点から誕生した製品で、もっと多くの人に米粉の魅力を知ってもらいたいと願っています。

最後に日本のお米について、その魅力と可能性について伺いました。
「日本のお米の魅力は、なんと言ってもおいしいこと。日頃からお米を食べている私たち日本人は、それを意識する機会は少ないかもしれませんが、海外の人に向けては大きなアピールポイントになるはずです。今後は、日本のお米のおいしさを広く知ってもらうために、海外向けのショッピングサイトを強化し、積極的に発信していきたいと考えています」(中條さん)

おいしい日本の米をもっと多くの人に伝えたい