自社で開発した「玄米ペースト」を、原料となる米の品種や配合を見直しリニューアル。新たに縦型ピロー包装機や冷凍保管庫などの設備を導入し、作業効率と生産性の向上を実現しました。改良した玄米ペーストを使って開発した「玄米うどん」は、同社で初となる和の食材で、つるりとなめらかな食感が特徴です。「玄米パン」は子どものおやつや軽食として使いたいという要望を受けて、チョコ味を開発。リニューアルした玄米ペーストで、ボリュームが出てふっくらと仕上がりました。「玄米ラーメン」は、パッケージデザインを一新し、海外での販売強化を目指します。
玄米うどん 265円(税別)/100g
玄米パン(チョコ) 220円(税別)/1個(25g)
玄米ラーメン 702円(税込・店頭価格)/2食入り
※玄米キューブパンはOEM商品のため非公開
・自社ECサイト
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・コメノパンヤ玄氣堂
熊本県菊池郡菊陽町原水2897 Tel.096-293-1323
株式会社熊本玄米研究所(以下、熊本玄米研究所)が独自に開発した技術を駆使し、水に浸した玄米を高速ミキサーで粉砕して製造する「玄米ペースト」。玄米はミネラルや食物繊維が豊富ですが、食感がやや固く、消化に時間がかかるため、子どもや年配者はたくさん摂取できないという課題がありました。しかし玄米の成分はそのままに、なめらかなペースト状に加工したことで、様々な食品に使えるようになりました。
今回、熊本玄米研究所では玄米ペーストの改良を行い、定番アイテムである「玄米パン」の新フレーバーや同社で初となる和の食材「玄米うどん」を開発。玄米ペーストの改良から、新製品の開発、今後の米粉製品の可能性についてお伺いしました。
地元・熊本県の産業振興と米の消費拡大を目指し、県産米を使った製品の開発に取り組んでいる熊本玄米研究所。同社では独自に開発した玄米ペーストを使い、グルテンフリーのパンやパスタ、ラーメンを製造しています。
菊陽町にある工場で製造している玄米ペーストは、水に浸した玄米を高速ミキサーで粉砕し、ペースト状に加工したものです。玄米がもつ風味や栄養価はそのままに、様々な製品に使うことができる点が特徴です。さらに製造過程でほとんど空気に触れることがないため、玄米の酸化が抑えられて独特のぬか臭さがありません。真空パックで長期間冷凍保存できる使い勝手の良さも魅力です。
この玄米ペーストを使ってパンやパスタなどを開発してきた熊本玄米研究所では、今回、改良を加えてリニューアルした玄米ペーストを開発、より風味豊かで使いやすくしました。開発部の神山清人さんは「今回の改良にあたり、玄米ペーストの原料となる米の選定から検討を重ねました。米に含まれるアミロースの量が異なる品種をブレンドし、調整しながら最適な比率を追求しました」と話します。
アミロースとはデンプンの一種で、米の品種によって含まれる量が異なります。アミロース含有量が高い米は粘り気が少なく食感はやや固め、少ない品種は粘りがありモチモチとした食感を得ることができます。
営業企画部長の西山今日子さんは「当社の玄米ペーストは、玄米のパサパサ・ボソボソとした食感を抑え、パンはふっくら、パスタや麺類はモチモチとした食感にできるのが特徴です。今回の改良で、さらにおいしく食べられる製品をつくることができました」と話します。
玄米ペーストは、それ自体の需要も増えているとのことで、令和5年度米粉商品開発等支援対策事業の補助金を活用して製造ラインに新たな設備を導入し、増産体制を整えました。神山さんは「これまではでき上がった玄米ペーストを手作業で計測していましたが、自動で計測してパック詰めできる縦型ピロー包装機を導入したほか、冷凍保管庫や急速凍結庫を整備したことで、作業効率も生産性も大幅にアップしました」と話してくれました。
熊本玄米研究所では、リニューアルで品質が向上した玄米ペーストを使い、新たな製品づくりを進め、「玄米うどん」を開発しました。
2025年2月発売の「玄米うどん」は、同社では初となる和テイストの製品です。玄米ペーストを約60%使用し、アレルゲン28品目不使用のグルテンフリーに仕上げています。常温で保存可能な半なま麺で販売をスタートし、2025年度中にスープをセットにした商品として販売できるよう進めています。「玄米うどん」をはじめ、同社で開発したグルテンフリー商品は、工場に隣接する実店舗にコーナーを設けて、店を訪れた人が気軽に購入できるようにしているそうです。
西山さんは「玄米ペーストを使ったパンやパスタ、ラーメンは、おかげさまで多方面から高評価をいただいています。そこで次の展開として、当社のラインナップにない和テイストの麺類をつくってみようということになりました」と経緯を語ります。
玄米ペーストを使用した「玄米うどん」は、圧力をかけて生地を押し出す製麺法を採用したこともあり、つるりとなめらかな口あたりに仕上ったとのこと。パッケージのデザインについては、「販売されている商品を調査したところ、その多くが白を基調としたパッケージだということがわかりました。そこで売り場で目立ち、他社製品との差別化を図るため、米の麺であることがわかるように稲穂をあしらったブルーが基調のデザインにしました」と、こだわりポイントを教えてくれました。
熊本玄米研究所の定番商品の一つである玄米パンも、新フレーバー「チョコ」を2月に発売。こちらは“子どものおやつに使えるフレーバーの玄米パンがほしい”というお客様からのニーズを受けて開発されました。
神山さんは「チョコレートは乳や大豆といったアレルゲンを含む素材を使ったものが多く、使うことが難しかった食材の一つですが、昨年アレルゲンフリーのチョコレートが発売されたことで、チョコレート味の玄米パンをつくることができました」と話します。
西山さんも「玄米パンはパサパサ、ボソボソとした食感が課題でしたが、今回改良した玄米ペーストを使うと、ふんわりとした食感になりボリュームもアップ、さらにおいしく食べやすくなりました」と話してくれました。
また、OEM商品として開発した「玄米キューブパン」は、2個・6個入り包装ができる機器を導入し、先方の要望にフレキシブルに対応できるようにしています。
西山さんは「海外では欧米を中心にグルテンフリーのラーメンが好調なことから、『玄米ラーメン』のパッケージデザインをリニューアルしました。英文の説明を増やしたり、調理見本を入れたりなどで、より商品の魅力が伝わるのではと期待しています。そして当社のラインナップに『玄米うどん』が新たに加わることで、さらなる市場拡大を目指します。日本の“RAMEN”が海外で広く知られるようになったので、次は日本のお米でつくった“UDON”に注目してもらえれば」と展望を語ってくれました。
最後に、今後の米粉を使った商品開発について、お聞きしました。
「需要が高まっている玄米ペーストの増産体制を維持しつつ、新商品の開発に取り組んでいきます。海外への展開としては、米食がまだ定着していない欧米を中心に商品展開をしていきたいですね。『玄米ラーメン』は米国のAmazonで2月から販売がスタートします。『玄米うどん』もこれに続く日本製の米粉麺として認知度を上げていきたいと考えています」(西山さん)
「玄米ペーストを使った『玄米パン』や『焼き菓子』で、新しいフレーバーの開発を進めています。『焼き菓子』は、2025年4月にキャラメル風味のマフィンの発売を予定しています」(神山さん)
玄米ペーストが広げる新たな可能性。これからも魅力的な商品が誕生することでしょう。