「見た目の楽しさ」から始まる、米粉による健康社会

玄米ペーストがさらに進化、同社で初となる和の食材「玄米うどん」を開発

華やかで楽し気な色合いやトッピングで、いかにもSNS映えしそうなキューブ型のパンは、その見た目の良さだけでなく、健康にも良い玄米粉でつくられた玄米パンです。この商品を手掛けるのは「食べて人にいい、環境にいい」をスローガンに、食を通じて人と環境にやさしい持続可能な未来を目指すピュアネクサス株式会社(以下、ピュアネクサス)。代表取締役社長の椋本加奈美さんに、玄米パンへの思いや同社が目指すことについて伺いました。

食に困っている人たちに、カタチあるモノを届けるために

「玄点」ブランドを起ち上げ、いまや玄米粉や米粉を使ったさまざまな商品を精力的に世に送り出している椋本さんですが、実は起業する以前は、食への関心は高くなかったといいます。「20代の頃、体の不調を感じた時に検査したら小麦アレルギーが見つかったんです。それがきっかけで食や健康について学び始め、スーパーフードを知りました。スーパーフードがまだあまり知られていない時代だったので、日本安全食料料理協会認定の資格を取得して、SNSなどで情報発信するようになりました」と、椋本さんは今に至る原点について振り返ります。

食に困っている人たちに、カタチあるモノを届けるために

「はじめは、米粉とスーパーフードの料理研究家としてYouTubeなどでレシピを配信していました。その活動のなかで、情報だけではなく、本当に必要としている人のために必要な“モノ”を届けることが、食で困っている人を助ける本当の解決手段と考え始めたことが、米粉を使った商品開発のきっかけでした」(椋本さん)
ピュアネクサスが展開する玄点ブランドは、グルテンフリー、添加物フリー、白砂糖フリー、化学調味料フリー、香料・着色料フリー、農薬フリーを“6つの「あたりまえ」”として方針に掲げ、玄米をメインにスーパーフードを掛け合わせて開発製造された商品を主に取り扱っています。

手探りで始めた玄米パンを1年で開発

手探りで始めた玄米パンを1年で開発

「玄米キューブパン」は、玄米粉をベースにアルファ化米粉や天然酵母、ココナッツオイルなどを加えてつくったシンプルな「きほん」と、「きほん」にトッピングなどのアレンジを加えた「きわみ」の2種類がラインナップされています。「きほん」はトマト、ビーツ、モリンガ、ターメリックなどのパウダーを使用した10種。「きわみ」は国産トマトなどをトッピングする「トマトピザ」、大豆ミートやペースト状のアボカドなどを挟んだ「モリンガバーガー」、国産タマネギとマッシュルームのホワイトソースを詰めた「ブルースピルリナクリームグラタン」など見た目の華やかさも増した10種類。
これらは見映えだけでなく、もちろん栄養面にも配慮されています。生米を水に浸さずそのまま粉砕する乾式粉砕法でつくられた玄米粉は、米本来の栄養価を多く残し、小麦粉ベースと比べおよそ2倍の保水力があることで甘みも残されています。

「玄米キューブパン」の開発には1年を要したと椋本さんは話します。
米粉を使う食品開発にあたって、小麦粉とは違う栄養価のあるパンがあれば、主食にもなりうるだろうと考えた椋本さんですが、「はじめの頃は、米粉の製法に乾式や湿式といった複数の製法があることも知りませんでした。米粉を手あたり次第に購入して、それぞれの違いを体感しながら米粉の特性を学ぶ日々でした。時間をかけて米の品種を選定し、米粉ならではのふわっとした食感を実現したかったので、水分配合も0.1g単位で繰り返し調整しながら見極めていきました」
食感へのこだわりは「きほん」と「きわみ」の米粉の製粉方法の違いにも表れています。「きほん」には乾式粉砕法による玄米粉を使用しているのに対し、「きわみ」にはでんぷん損傷度が低い湿式粉砕法による粉を使用。でんぷん損傷度が低いほど、パンに膨らみが生まれ、ふわっとした食感を実現できます。デコレーションだけでなく、食感の違いもお客様に楽しんでほしいと椋本さんは話します。

気づけば、健康になっている。そんな人たちを増やしていきたい

ピュアネクサスは、パンのほかにもたい焼き、そしてキューブパンの切れ端でつくるパン粉なども販売しています。これは製造過程で発生する食材ロス削減への取り組みの一環ですが、パン粉のほかにもリサイクル可能な包装材やバイオマスプラスチックのライスレジンを包装やショップカードに使用したり、成分表示シールの印刷に米ぬか油を使用したライスインキを使うなど、同社のスローガンである環境への配慮にも積極的な姿勢を見せています。

“気づけば、健康になっている。そんな人たちを増やしていきたい
気づけば、健康になっている。そんな人たちを増やしていきたい

食で困っている人と環境に良い“モノ”を届けたいという思いから起業した椋本さんに、改めてどのような人たちに「玄米キューブパン」など同社がつくる商品を届けたいか聞きました。
「アレルギーなどで米粉を必要としている方々はもちろんですが、健康意識の高い方は自分たちで調べて、当社の商品を探してこられます。だからこそ、実は不健康なことに気づけていない方々に届けたいと思っています。健康意識が低い方が、当社の商品をきっかけに『気づけば、健康になっていた!』という環境をつくれればいいなと思っています」と話すとおり、玄点ブランドは必要以上に「健康イメージ、無添加、グルテンフリー」などを前面に押し出していないといいます。見た目の楽しさや華やかさ、面白さなどから、商品を手に取ってくれることで自分たちの目指す社会実現の一歩になってほしいと締めくくってくれました。
同社はすでに「きわみ」の上位ブランドにあたるラインナップの拡充や、BtoBの取り組みとして米粉を使った麩(ふ)の開発を構想中といいます。こうした取り組みを続けることで、ピュアネクサスが目指す社会が遠くない未来にやってくると期待したいものです。