新ブランド「TOIRO(といろ)」で十日町の豊かな食と米粉の魅力を発信

新ブランド「TOIRO(といろ)」で十日町の豊かな食と米粉の魅力を発信

駅構内のコンビニエンスストアやカフェ、ファストフード店、飲料自動販売機、そして「ecute(エキュート)」「GRANSTA(グランスタ)」といった商業施設など、幅広く事業を展開している株式会社JR東日本クロスステーション(以下、JR東日本クロスステーション)。新潟県十日町市にある工場「十日町すこやかファクトリー」では、地元・十日町産の「魚沼コシヒカリ」でつくった米粉をはじめ、新潟県産の上質な素材を使ったケーキや焼き菓子を製造しています。2024年10月にスタートした新ブランド「TOIRO」に込めた想い、地域産品を生かす製品づくりについて伺いました。

十日町の“おいしい”を届ける新ブランド「TOIRO」誕生

新潟県十日町市にある工場「十日町すこやかファクトリー」は、アレルゲン物質に対する厳しい基準をクリアした専用の製造ラインをもち、小麦や卵、乳成分といった特定原材料不使用の製品づくりに取り組んでいます。この工場で製造されたスイーツは、十日町市のふるさと納税の返礼品としても活用されてきました。

“地元産の素材のすばらしさを、もっと多くの人に知ってもらいたい”
そんな想いから、JR東日本クロスステーションでは「十日町すこやかファクトリー」の開設から10年となる2024年10月にプレミアムブランド「TOIRO」を立ち上げました。

十日町の“おいしい”を届ける新ブランド「TOIRO」誕生

「TOIRO」のロゴには、新潟県内を流れる信濃川や豊かに実った稲穂、美しい雪山など、新潟らしい風物を通じて四季が表現されています。JR東日本クロスステーション フーズカンパニー 食品製造統括事業部の松井美晴さんは、「私たちの工場がある十日町、食や人の多様性を表す“十人十色”、そして当工場が開設10周年を迎えたことへの感謝の気持ちを込めて『十』をブランド名やデザインに採り入れました。ロゴの形も10角形にし、色づかいには木々の緑や稲穂の金色、雪の白銀など、新潟の自然を連想させるものを選びました」と話してくれました。

様々な検討を経て誕生した新ブランド「TOIRO」。このロゴには、十日町や新潟県の風土が育んだ豊かな恵みを、おいしく食べてもらいたいという願いと、丁寧な仕事から生まれる商品への愛情が感じられます。

十日町産「魚沼コシヒカリ」で米粉スイーツを開発

十日町産「魚沼コシヒカリ」で米粉スイーツを開発

プレミアムブランド「TOIRO」の第一弾として展開している商品が、「米粉スノーボール」「米粉ろおる」「米粉クッキー」、そして2024年のクリスマスシーズンに販売した3種類の「Xmasケーキ」です。これらの製品に使用している米粉について、フーズカンパニー 食品製造統括事業部の白石辰徳さんは、「米粉には地元・十日町市で栽培されている食用米『魚沼コシヒカリ』を使用しています。微細製粉技術で加工しているので、デンプンの損傷率が少なく、ふんわりと仕上がるのが特徴です」と教えてくれました。

「米粉スノーボール」は総重量の約50%、「米粉クッキー」には総重量の約30%の米粉を使用しています。フーズカンパニー 食品製造統括事業部の稲岡眞琴さんは、この2品について「『米粉スノーボール』は水分を加えていないので、米粉の劣化を抑えることができました。アーモンドプードルたっぷりで風味豊か、ほろりとした米粉の食感を楽しめます。一方、『米粉クッキー』は焼き上がりが固くならないように、こめ油を加えて程よい食感に仕上げています」と解説します。

“十日町産「魚沼コシヒカリ」で米粉スイーツを開発
十日町産「魚沼コシヒカリ」で米粉スイーツを開発

「米粉ろおる」と「Xmasケーキ」のスポンジ部分は、米粉100%でつくられています。松井さんは「『米粉ろおる』は、食べきりサイズのロールケーキとして、豆乳を使ったソイクリームを、ふわふわの米粉スポンジとともにおいしく味わえるように開発したものです。初めてつくるサイズだったので、スポンジとクリームのバランスやボリューム感が難しく、何度も試作を重ねました。また、スポンジ生地を真っ白に焼き上げるのも大変でした。『Xmasケーキ』は、これまでのノウハウがあるため、米粉のスポンジ生地については大きな問題はありませんでした。しかし、豆乳クリームでミルク感やチョコレートの風味をしっかり出しつつ、クリームが重くなりすぎないように米粉スポンジとのバランスを調整するところで苦労しました」と振り返ります。

こうした工程を経て完成した「米粉ろおる」は、食べきりサイズのスイーツというコンセプトが子どもや外国人に好評を得ています。「Xmasケーキ」も評判は上々で、購入者から「小麦や卵、乳成分といった特定原材料不使用なのに、それを感じさせない味わいにびっくり」「米粉のスポンジがもちもちでおいしかった」「フルーツたっぷりで華やかなビジュアルが、クリスマス気分を盛り上げてくれた」といった声が届いています。さらに「クリスマスシーズン以外にもケーキを食べたい」という要望も増えており、米粉を使用したスイーツへのニーズが年々高まっていると実感したそうです。

“十日町産「魚沼コシヒカリ」で米粉スイーツを開発
“社員一同、丁寧な仕事で「TOIRO」ブランドを育てていく

社員一同、丁寧な仕事で「TOIRO」ブランドを育てていく

JR東日本クロスステーションと十日町すこやかファクトリーが、満を持してスタートさせた「TOIRO」ブランド。今後のブランド展開や商品開発について、皆さんにお聞きしました。

「購入したお客様から『高級感あるパッケージで、おいしく味わうことができた』といった評価をいただいていることから、TOIROブランドは従来品との差別化ができていると思います。今後はTOIROのブランドコンセプトがぶれないように、主要原料である米粉の特徴を生かした製品づくりに取り組んでいきたいですね」(白石さん)
「『米粉ろおる』は、第一弾として雪をイメージした“スノーホワイト”をつくり、続いて"チョコレート"も販売を開始しました。今後もバリエーションを増やしたいと考えています。クッキーなどの焼き菓子もアイテム数を増やしていきたいです。そしてTOIROブランドの商品も、ふるさと納税の返礼品に加えてもらえるようになればうれしいです」(稲岡さん)
「十日町、新潟県には魅力的な素材がたくさんあります。今後も米粉をはじめ、素材の特徴を生かした商品開発に取り組みます。TOIROのブランドが皆様に広く知ってもらえるよう、最新トレンドをリサーチして、パッケージデザインなどにも力を入れていきたいと考えています」(松井さん)

JR東日本クロスステーションでは、米粉を使った上質で個性豊かなスイーツを開発し「TOIRO」ブランドを大切に育てていきます。