米粉麺の可能性を追求するフロントランナー

米粉麺の可能性を追求するフロントランナー

2000年に日本最初の塩ラーメン専門店として創業した株式会社龍旗信(以下、龍旗信)が、このほどグルテンフリーラーメン専門店「RYU-Gu龍旗信」を創業の地・大阪府堺市にオープンさせました。グルテンフリー専門を謳う新店舗で提供されるのは、もちろん米粉でつくった米粉麺。創業当初からニュースにも取り上げられるようなさまざまな活動を展開してきた同社に、米粉麺やグルテンフリーとの関わり、そしてその思いについて聞きました。

米粉麺を提供するグルテンフリーラーメン専門店がオープン

話してくれるのは、龍旗信で総務部長を務め、新店舗「RYU-Gu龍旗信」の責任者でもある北畠輔さん。まず、米粉麺との関わりから話を聞きました。
「製油会社との協業でヴィーガン用のラーメンスープの素を開発したのが、米粉麺を考えるようになったきっかけです。その中でヴィーガンだけでなく、もう一つ別の要素としてグルテンフリーを加えたいとなって、じゃあ“米”だねと。当社の代表が日本の食文化の教育・普及活動を行う一般社団法人の理事を務めている関係で、米粉に携わる企業や研究者の方々とお話ししていくうちに、グルテンフリーの可能性を感じ、“米の麺”は面白そうという思いが強まっていきました」と北畠さんは同社と米粉麺とのはじまりについて話します。

米粉x和素材で、味も食感も新しい「和ベーグル」を開発

2021年からグルテンフリーラーメンの開発をはじめた龍旗信は、翌年には自社工場での開発や製麺を行うようになります。その過程でインバウンド需要を意識した精進料理の要素を取り入れた“精進”ヌードルを開発するなど、グルテンフリーに精力的に取り組んできたといいます。スタートしてからおよそ4年で、グルテンフリーラーメン専門店のアイデアを具現化した北畠さんは「試行錯誤を繰り返し、満足できる米粉麺ができるまでにはおよそ2年かかりました。製麺室や水の温度、湿度や米粉の粒度などさまざまな条件に合わせた適切な米粉や材料の配合などを、何度も試作して見極めていきました。そうして米粉95%を実現しました」と、これまでの道のりを語ります。

ローラー製法で製麺するレベルの高い米粉麺の魅力

ローラー製法で製麺するレベルの高い米粉麺の魅力

そうしてできあがった米粉麺の最大の特徴は、ローラー製法による製麺だといいます。「製麺はまず麺帯(帯状に成形した麺生地)にすることが難しい。だから、多くの製麺会社はパスタのような押し出し製法で製麺しています。しかし、それではコシが少なく伸びやすい麺になってしまいます。私たちは温度管理や加水率を追求し、米粉でもしっかりコシのある麺帯をローラー製法でつくることに成功しました」と、北畠さんは麺の完成度に自信を見せます。

実際に、同社は国内のさまざまなフードイベントに米粉麺を出品したり、著名な料理人や料理研究家に麺のサンプルを提供し、すでにいくつかの企業や料理人から取引を打診されているといいます。また、国内のみならず、フランスに店舗を構える龍旗信は、海外での米粉麺の展開を視野に入れており、フランスやドイツ、イタリアで試食会を実施したところ、高評価を得たといいます。

「小麦粉麺はこの20年で大幅に進化しました。その進化に米粉麺も追い付いてほしいし、その可能性は大いにあると思っています。私たちがその牽引役になれればとも考えています。日本の米はおいしいからこそ、ここまで日本で親しまれてきたんです。米粉でつくった麺も当たり前に浸透していけると思っています」と北畠さんは米、米粉、そして米粉麺の大きな可能性について熱く語ってくれます。

その実現のために、龍旗信の取り組みはとどまりません。今回の米粉商品開発等支援対策事業で製粉機や製麺機、冷蔵設備など各種設備機器を導入し、米粉自体の研究なども進めていくといいます。「製粉機を使っているラーメン屋はまずないでしょうね(笑)」と笑いながら話す北畠さんが見据える未来には、米粉麺が浸透しているさまざまなシーンが広がっています。

誰もが米粉麺を気軽に楽しめる社会にしていきたい

例えば、米粉麺開発の過程で、インスタント麺のように米粉麺とスープを一緒に茹でても、バランスよい仕上がりになることがわかったそうです。つまり、設備の効率化を図れ、設備が充実していない施設や店舗でも米粉麺のラーメンを提供できるわけです。
導入した製麺機により生産数が増加し、大口の受注が可能になります。また、現在は業務用として米粉の生麺を販売していますが、包装機の導入により個包装が可能になったので、一般への小売販売も「RYU-Gu龍旗信」で計画されています。

誰もが米粉麺を気軽に楽しめる社会にしていきたい

冷凍麺の開発・普及にも力を入れていきたいと話す北畠さんは、最後に「米粉麺はグルテンフリーなので、病院食や離乳食としても安心して活用いただける食品です。冷凍麺であれば調理もしやすい。老若男女問わず、そして国内外問わず、誰もが違和感なく気軽に米粉麺を楽しめる、そんな社会にしていきたい」と話してくれました。
すでに「RYU-Gu龍旗信」を訪れたお客さんから良い口コミがいくつも聞こえています。まず、この新店舗を起点に、一般の人たちの声を通じて米粉麺の魅力が発信されていくでしょう。インタビューを通して、龍旗信が米粉麺の次代を先駆けて走るフロントランナーになる姿を垣間見た気がします。