米どころ新潟・弥彦村の藤井商店が、学校給食向けに1kg小分けのうるち米粉を新発売。小規模業者でも扱いやすい容量にしました。新潟県産「こしいぶき」と「ゆきんこ舞」を厳選ブレンドし、微粉砕技術で品質を向上。小麦粉代替として幅広く活用でき、吸油率が低く揚げ粉に最適。製パンや製菓にも使いやすい米粉です。
参考価格 350円(税別)/1kg
・問い合わせ:藤井商店
Tel.0256-94-3181
主食米や酒米、特定米穀の精米および米穀粉の生産を主な事業とする株式会社藤井商店(新潟県弥彦村)。同社が新潟平野の真ん中に精米工場を建設したのは1966年。特定米穀の設備規模および精米加工量は全国トップクラスです。さらに1990年には穀粉工場を完成させ、設備を更新・増強しながら米粉を供給し続けています。
同社が生産する米粉は、新潟県内の食品メーカーの工場に、主に米菓の原材料として供給されています。基本は800kg単位で販売され、最小でも20kg袋の大容量でした。以前から、1kgに袋詰めした小分け商品の要望があり、供給したいという気持ちはあるものの、手作業で一つひとつ袋詰めをしなければならず、とても対応できないと判断せざるを得ませんでした。
しかし、良質な新潟県産米粉へのニーズは依然として高く、関西地方の商社から学校給食用に供給したいと何度も引き合いがあり、どうにかして応えたいと思うようになりました。
「学校給食用米粉の話が1件ではなく、複数件あったので、小分け包装をするための機械を入れても採算が取れるのではないかと考えるようになりました」と話すのは、同社代表取締役の藤井宣秀さんです。
「学校給食に使用してもらうことで、若い世代が米粉にふれる機会がつくられるのであれば、設備を導入してそのニーズに対応したいと思います」と藤井さん。小分けに対応することで、学校給食だけでなく飲食店などの小規模事業者にも新潟県産の米粉の供給を広げていけると考え、米粉商品開発等支援対策事業で、穀粉工場に待望の小分け包装・注入機を導入しました。
新潟平野の真ん中、弥彦村にある藤井商店の工場は、一面の水田に囲まれたロケーションにあります。原材料の米の調達から、精米、米粉加工、配送まで一貫体制で行えることが同社の強みです。この場所で米や米粉の地産地消のサイクルを担ってきました。また、地球環境への影響を低減したいとの思いから、新潟県下で最大規模、最大出力200kWの太陽光発電装置を稼働しています。
「当社の全事業で調達している米の3~4割は、地元の弥彦村と近隣市町村の生産者さんが育てたものです」と藤井さん。米粉に使っている米品種は「こしいぶき」と「ゆきんこ舞」のブレンド。どちらも食用米としても食味が良く、稲が倒伏しにくいため比較的栽培しやすく生産量が多いため、品質と価格のバランスが取れた米粉を提供することができます。
「気流粉砕で微細な米粉にすることで、さまざまな食品に加工できる粒子の状態になります。当社は汎用性の高い米粉をつくっていると言えます」と藤井さんは胸を張ります。業務用ではせんべいやあられなどの米菓原材料のほか、ドーナツやパンの食味改善にも利用されていると言います。今回、小分け包装・注入機を導入したことで、1日100から200袋の新潟県産米粉1kgを生産できるようになりました。
「学校給食での同米粉の用途まではわかっていませんが、調理では揚げ粉に最適です。小麦粉と比べて吸油率が低いのでサクサクに揚がります。我が家では揚げ物には必ず米粉です」と教えてくれました。米粉は新潟県の家庭ではポピュラーな食材だそうです。
代表取締役の藤井宣秀さんは、藤井商店の3代目。「初代・先代まではできる事業を全部手掛けて規模を拡大してきましたが、私の方向性は少し違って、地産地消を軸に地元に恩返しができる事業をしていきたいと思います」と話します。地元、弥彦神社の膝元である弥彦村は米栽培に力を入れている地域。藤井商店は、その流通の要と言ってもいいでしょう。
今回、新調した小分け包装・注入機で1kgに袋詰めされた米粉は、近年、引き合いの多い関西地方へ出荷されています。
「学校給食用に米粉を提供することが可能になり、若い世代に米を消費してもらう機会を創出することができました。まず学校給食で新潟県産の米粉が広がれば、一般家庭にも普及していくことが期待できます」と藤井さん。今後、米粉に関する事業としては、うるち米粉に加えて、もち米粉やアルファ化米粉などの小分け包装での展開も考えているそうです。
「自社の商品にかかわらず、米粉が広く消費者の目に触れ、特に新潟県産の米粉が広まってくれたら、小分け商品開発にチャレンジした目的が果たせると思います」と藤井さん。日本屈指の米産地で米の事業を営む企業の代表として、地域への思いを語ってくれました。