できたてをお届けするため注文後に焼き上げる新感覚和ケーキ

できたてをお届けするため注文後に焼き上げる新感覚和ケーキ

愛知県三河地域で70年以上の歴史を持つ老舗和菓子店・株式会社お亀堂(以下お亀堂)。四季折々の和菓子は慶弔からおやつ、お土産に至るまで幅広く取り揃えており、地元豊橋に主力工場がある有楽製菓のブラックサンダーとのコラボ商品「ブラックサンダーあん巻き」など、『挑戦』と『革新』を続ける新商品の数々も人気です。そのお亀堂が、小麦粉を使用せず、米粉で焼き上げたグルテンフリーの新感覚の和ケーキを開発しました。

パリパリ・ホクホク・アツアツの3種の食感が魅力

「ご注文いただいてからシュガーパウダーをかけて焼き上げ、パリパリ・ホクホク・アツアツの3種の食感が楽しめる新感覚のあん入りさつま芋の和ケーキです」
そう話すのは、同社代表取締役の森貴比古さん。「あんぽて焼き立てブリュレ」と命名された商品の主原料は、さつま芋・米粉・卵・小豆・砂糖。うるち米の米粉は国産の最高品質のものを選び抜き、他の原料もすべて国産にこだわり、保存料・添加物を一切使用していません。砂糖は氷砂糖を使うことで、スッキリとした甘さになっています。

パリパリ・ホクホク・アツアツの3種の食感が魅力
パリパリ・ホクホク・アツアツの3種の食感が魅力

角切りのさつま芋を氷砂糖で蜜漬けしてつぶつぶ感を出した特製の蜜漬け芋と、ホイップした卵と米粉を合わせた生地をカップに流し込み、こしあんをサンドして焼き上げました。
店頭販売では、仕上げとしてシュガーパウダーをかけ、200度のトースターで5分ほど焼き上げます。すると、ブリュレの「パリパリ感」、さつま芋の「ホクホク感」、焼きたての「アツアツ感」の3種の食感が生まれます。
現在、お亀堂の藤沢店・岩田店・直売店の3店舗のほか、オンラインショップでも販売。オンラインショップの商品には、仕上げの焼き上げについての説明書きを同封しているそうです。

グルテンフリー市場の成長を期待

グルテンフリー市場に可能性を見出したのが、この商品の開発のきっかけだと森さんは語ります。
「グルテンフリー市場は、アメリカや欧州を中心に急速な拡大を見せています。アメリカ市場を追随する日本の市場の特性を鑑みても、今後の成長が期待できると考えました」(森さん)
「和菓子づくりで培った日本の伝統的な技を活かしつつ、革新的な要素も取り入れた米粉の新しいお菓子をつくりたい」 そんな思いで開発を開始しましたが、試行錯誤が続いたそうです。

グルテンフリー市場の成長を期待
グルテンフリー市場の成長を期待

「米粉を使った和菓子は多々ありますが、小麦粉を使わない米粉の洋菓子にまだ慣れていないため、卵と生地の合わせ具合、砂糖の入れ方、その他の原料の投入順番など、試作を何度も繰り返しました。今回の米粉商品開発等支援対策事業の補助金で製造用のスチームラックオーブンを導入させていただきましたが、生地の厚さに合うオーブンでの焼き時間、蒸らし時間の調節に苦労しました。焼きが甘いと中までしっかりと焼けていなかったり、焼きが強すぎて焦げてしまったり。完成までに3カ月ほどかかりました」(森さん)
できあがった商品は、サツマイモの蜜漬けなど伝統的な技を活かしつつ、店頭で焼き上げて完成させるなど、ほかにない革新的なものに仕上がりました。

健康志向の高い方々に、さらにグルテンフリー商品を

実際に「あんぽて焼き立てブリュレ」を食べられたお客様からは「米粉を用いたグルテンフリーの商品をもっといろいろと食べてみたい」との要望を多数いただいたそうです。
「健康志向の高い方々にご購入いただいており、今後、グルテンフリーの商品には期待が持てると実感しました。現在、米粉を使ってポルボロンと呼ばれる焼き菓子を試作したり、米粉のドーナッツも開発中です。グルテンフリーでいろんな食材を使った新商品を開発し、多店舗展開や卸での販売など販路も広げていきたいですね」と森さん。今回導入したオーブンが大活躍していくことでしょう。

健康志向の高い方々に、さらにグルテンフリー商品を