シェフ監修でレストランクオリティのパスタ麺とソースを再現

レストランシェフ監修による本格レシピと厳選食材と調味料が1つになったミールキット宅配サービス「TastyTable mealkit」やレストランクオリティの手づくりパスタソースの宅配サービス「TastyTable FOOD」を展開する株式会社ニューアクション(以下、ニューアクション)。同社が今回、グルテンフリーの米粉パスタとそれに合うパスタソースを開発しました。
冷凍で届いた米粉麺を茹で、解凍したソースをフライパンで加熱して麺と和えて仕上げれば、本格的なレストランレベルのパスタが完成。こだわりの麺とソースを開発した経緯や今後の展望をお聞きしました。

本格的なパスタの再現を目標に米粉麺を開発

そもそもなぜ米粉麺を開発しようと思ったのか、ニューアクション・NAファクトリーの福地一也さんにお伺いしました。
「我々は昔から小麦アレルギーや体質改善などで小麦の摂取を控えたい方にも、ご自宅でレストランの味わいを楽しんでいただきたいという思いから、グルテンフリーの米粉麺に興味を持っていました。しかし、米粉麺というとベトナムのフォーのようにつるんとした独特の食感があり、パスタソースに合うものがなかなかありません。それなら米粉麺を自分たちでつくろうと開発を決意しました。弊社には『TastyTable』で監修していただいているたくさんのシェフがいます。今回は和食、洋食、中華の3人のハイエンドシェフに協力をお願いして、製粉製麺会社とともにパスタソースに合う米粉麺をつくりあげました」

本格的なパスタの再現を目標に米粉麺を開発
本格的なパスタの再現を目標に米粉麺を開発

目指したのは、セモリナ粉のパスタにできるだけ近い米粉麺。本格的なパスタの再現を目標にしました。 「パスタ麺はモチモチ感があるものが人気ですが、米粉麺だとそれとは異なるシコシコ感が生まれがちです。シェフたちと『コシが違うね』とか『味わいが違うね』と言いながら試作・試食を繰り返しました。複数の製粉会社に相談してもなかなか答えが出ない中、我々の要望に合う米粉の挽き方や粒子の細かさのアイデア・ノウハウを持つ製粉会社に出合うことができ、小麦の麺と間違うほどのものができあがりました」と福地さん。

食感と味が希望どおりのものに仕上がり、最後に検討したのが色。米粉麺は白色で、パスタソースに合わせると、どうしてもイメージどおりの見た目になりません。
「本格的なパスタを目指しているので見た目にもこだわりました。パスタらしくするためにクチナシで着色することで、とてもおいしそうな見た目にできました」
完成品をイタリアンのシェフに食べてもらったところ「これ本当に米粉?」と驚かれたそうです。

米粉麺に合うパスタソースを一から開発

完成した米粉麺は、モチモチした食感とお米本来の自然な甘み、旨みを存分に感じることができます。それに合わせてパスタソースも開発しました。その数は14種類。
「パスタソースも米粉麺に合わせてグルテンフリーのものを開発しました。例えば通常、ベシャメルソースには小麦粉を使いますが、それを米粉にするなど、小麦粉を使用していた部分をすべて米粉に置き換えました。ただ置き換えるだけだと味わいがちょっと変わってしまうので、一からソースをつくり直しました」

米粉麺に合うパスタソースを一から開発

そこには、ニューアクションならではのこだわりがありました。
「もしかしたら、レトルト商品としては小麦粉を米粉に置き換える程度で問題ないかもしれません。しかし当社の場合、『レストランシェフが監修』というベースがあるので、妥協せず各シェフにこだわってもらいました。近づけたとはいえ、米粉麺には小麦粉麺にはない食感や味の強さがあります。米粉が立ちすぎないように、パスタとしてのバランスを考えて、それぞれのソースを調整してもらいました」
ソースはトマト系、クリーム系、オリーブオイル系、それぞれ複数のレパートリーを取り揃えました。
例えば「粗挽き鶏肉のボロネーゼ」は、香ばしくソテーしたジューシーな粗挽き鶏モモ肉と、より旨みを引き出すための隠し味となる鶏レバーを、ローズマリー等のハーブが爽やかに香るトマトソースでじっくり煮込んだソース。「サーモンとキノコのクリームソース」は、食感が残るように絶妙な火加減で加熱したサーモンとキノコ、そして甘みが出るように炒めた玉ねぎをクリームソースの中に加えた、クリームのコクと食材の旨みを存分に感じることができるソースになりました。
ECサイトでは、好きなソースを選んで米粉麺とのセットで購入が可能です。

WEB広告やSNSを活用してブランディング

WEB広告やSNSを活用してブランディング

今回、米粉商品開発等支援対策事業の補助金を商品開発のほかに、市場調査やPRツールの作成などにも活用しました。これまでの取り組みについて、企画・販促開発担当の清水恭子さんにお聞きました。
「新商品の開発に合わせて、市場ニーズのモニタリング調査を行いました。いろいろな層に米粉への興味などをリサーチし、その結果を元に、WEB広告やランディングページを制作しています。ランディングページでは、健康志向の方向けに『ヘルシーさ』や『手軽さ』、『家族向け』など、異なる切り口のバージョンを用意して、今後の反響を見てターゲットを絞り込んでいこうと考えています」

パッケージのロゴなども新しくデザインをしたそうです。
「もともとの『TastyTable』というブランドの中で、グルテンフリーの新商品が埋もれてしまわないように、新しいカテゴリーができたことを推していけるようにナチュラルなテイストのロゴを作成しました。」(清水さん)
いま、お客様のクチコミもすこしずつ集まってきていますが、今後はSNSなどを活用して、インフルエンサーの方に発信してもらうなど、よりPRに力を入れていくそうです。

最後に、米粉の可能性をどうお考えか、お二人に伺いました。
「今回の開発で、米粉でも小麦粉に似た麺の食感がつくれることがわかり、大きな可能性が見えてきました。今後はグルテンフリーを切り口に、小麦粉を使う料理を米粉に置き換える取り組みをしていき、健康面も含めて大きな市場に向けて開発していきたいと考えています。すでに米粉を使ったうどんやラーメンの開発も進めています。将来的には日本の良いものを海外で展開していきたいと考えており、そこで日本の米や米粉がキーワードになってくると思います」と福地さん。
「そんな未来のためにも、まずは国内で商品の認知とシェアの拡大を目指してブランディングに力を入れいこうと思います」と清水さん。商品開発とPRの両輪で、米粉市場を盛り上げていきます。