多品目・少量サイズでニーズに応え、米粉の需要拡大を目指す

多品目・少量サイズでニーズに応え、米粉の需要拡大を目指す

国内外から良質な米や大豆、ゴマなどを仕入れて加工してきた株式会社波里(以下、波里)は、1942年の創業以来、素材の特性や用途に合わせた製品づくりに取り組んできました。近年はグルテンフリーや小麦アレルギーに対応した製品のニーズの高まりを受けて、家庭用・業務用ともに多彩な米粉製品の開発に注力、2021年にはノングルテン米粉の製造工程管理認証を取得しています。
米の品種や用途に合わせた高い製粉技術を駆使して開発した新製品について、商品開発室の黒田敬子さんと海外営業担当の山本直之さんにお話を伺いました。

多品目・少量化で選択肢を増やし、販路拡大につなげる

国内産米を使い、高度な製粉技術で製造する波里の製品は、家庭用・業務用ともに高く評価されています。料理用やパン・お菓子用、グルテンフリー仕様などからなる「お米の粉」シリーズをはじめ、パンケーキミックスや天ぷら粉、唐揚げ用片栗粉など、多彩なラインナップで展開しています。
「今回の商品開発では、少量パックの家庭用ミックス粉を充実させることにしました。“米粉を使ってみたいけれども、余ってしまうかも…”と購入を迷っていたお客様も、コンパクトな使い切りサイズで価格も抑えた製品で、気軽に使っていただけるのではと期待しています」と黒田さんは話します。

多品目・少量化で選択肢を増やし、販路拡大につなげる
多品目・少量化で選択肢を増やし、販路拡大につなげる

業務用でも通常の半量となる10kgサイズの製品を新たにつくりました。山本さんは「ひと口にBtoBといっても、いくつもの工場を抱えるメーカーから個人経営の店舗まで様々あります。大量に使用する場合は、20kg単位で扱うほうが配送やコスト面でメリットがありますが、小規模店舗では大容量だと持ち運びや保管が大変なうえ、使い切れないこともあると聞きます。そこで“スモールB”向けとして半量サイズをつくりました。これまで使ったことがない製品も、 “お試し”で10kgサイズを購入してもらえるのでは」と、新サイズ製品での販路拡大に期待を寄せています。

今回開発した製品の一部は、2024年に開催された展示会「FABEX2024」の一つ「お米未来展」に出展しており、ミックス粉は試食の評判もよく、10kgサイズの業務用製品も関心を寄せる業者が多かったそうです。

トレンドや海外市場を意識した製品で“強み”をつくる

新製品の開発にあたり、多品目化に取り組んだ理由の一つに、ニーズの多様化があります。
例えば、生後9カ月から食べられる幼児向け製品として開発した「有機ほっとけーきmix」は、国産有機米のみを使用し、ベーキングパウダー不使用、有機JAS認定も取得しています。有機砂糖を使った「甘さひかえめ」と砂糖不使用で野菜ペーストを加えるなどアレンジが可能な「おさとうなし」の2タイプをつくりました。
「“子どもには安心安全なものを”と考えている親御さんの声を受けて製品化しました。ベビーフードを扱うベビー用品店など、スーパー以外の店舗でも展開予定です」(黒田さん)

また、特殊製法で粉砕加工した「お米のパン粉」は、増粘剤を使わず米粉だけでつくったグルテンフリー製品です。食感や用途が異なる粗目と細目の2タイプを開発し、小麦粉を原料にした製品が多いパン粉というジャンルで新たな需要が期待されています。

トレンドや海外市場を意識した製品で“強み”をつくる

ほかにも、米粉に適しているといわれる「ミズホチカラ」や、地元栃木県でも栽培されている「笑みたわわ」を使用したり、米粉以外も北海道産の素材を使用したりと、工夫を凝らした製品で多様なニーズに対応しています。

「今回開発した幼児向けミックス粉をはじめ、オーガニックやグルテンフリー製品は、海外でもニーズがあります。豊富なラインナップは、海外での商談でも当社のアピールポイントになると考えています」(山本さん)

さらなる改良を重ね、多様化するニーズに応える

さらなる改良を重ね、多様化するニーズに応える

米粉をもっと手軽に使えるように、家庭用・業務用ともにラインナップを増やした波里。今回の米粉商品開発等支援対策事業を活用して、計量包装機や焼き菓子に使用する充填機などを新たに導入し、業務の効率化を図っています。粉製品以外にも「こめこカヌレ」や業務用のどらやきの皮といった焼き菓子でも新商品を開発しました。

今後の製品開発について、おふたりに展望を伺いました。
「焼き菓子の開発では、2024年に発売した『シフォンケーキ』を改良して、新フレーバーづくりに取り組んでいましたが、生地の配合に時間がかかり完成には至りませんでした。業務用のどらやきの皮も当初は米粉100%を目指していましたが、お客様が要望した日数で品質を保持することが難しく、米粉の配合は10%程度に抑えています。いずれも調整を続け、今年度中に課題をクリアしたいと考えています。また、ミックス粉を使ったレシピ開発を進め、SNSやイベントで発信していきたいです」(黒田さん)

さらなる改良を重ね、多様化するニーズに応える
さらなる改良を重ね、多様化するニーズに応える

「当社は日本の米や米製品の輸出拡大に取り組んでいる全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会に加盟しています。今後はグローバル市場を視野に、「FABEX」のように国内で開催される展示会への出展に加え、海外での展示会や見本市にも積極的に参加して、製品をアピールしていきたいですね」(山本さん)

波里は、長年培ってきた製粉技術、充実した製品ラインナップ、ニーズやトレンドを意識した商品開発力で、今後も進化を続けます。