一般的な米粉と比べて圧倒的な高吸水率で、パンやお菓子をつくったときに、やわらかくしっとりとした仕上がりになる米粉。なによりも、膨らみが足りないといった失敗をしない米粉。それが堀内製粉の「小麦粉の代わりにピッタリ米粉」です。70年以上にわたって米粉一筋に事業を営んできた堀内製粉の経験とノウハウを詰め込んで開発された、小麦粉の代わりに安心して使える米粉です。
380円(税込)/500g
・堀内製粉(自社店舗)
滋賀県甲賀市甲南町森尻346
Tel.0748-86-2421
・JA直売所、道の駅など
小麦粉の代替品として需要が高まる米粉。ですが、ただ小麦粉の代わりに米粉を使うだけでは、吸水率の違いで調理を失敗してしまったり、なにより料理が美味しくなかったりと課題は多々あります。その課題を克服した、「失敗しない」そして「美味しい」米粉を開発し、米粉をより普及させようと、老舗米粉製粉所「堀内製粉」が立ち上がりました。
堀内製粉は、70年あまり続く米粉専門の製粉所。堀内規雅さんはその3代目。商品の中で最も製造量が多いのは、京都の八ッ橋の製造に使われる米粉で、八ッ橋メーカーに販売されています。
「八ッ橋の米粉に求められるのは、粒度のバランス。細かいばかりだと食感が柔らかくなりすぎますし、荒いと逆に舌触りが悪くなる。荒いものや細かいものが混在している方が食感に変化が出る、と喜ばれます。長年培った経験とノウハウでバランスを取っています」
ほとんどの商品がBtoBという堀内製粉ですが、少量ながらJA直売所や道の駅でBtoCの商品も販売しています。それが「米粉屋さん ほりうち」シリーズ。パンケーキ用や団子用の米粉、大福用のもち粉、その他きな粉などの菓子原料を販売しています。新たに開発した「米粉屋さん ほりうちの小麦粉の代わりにピッタリ米粉」もそのシリーズの1つ。
今回、米粉商品開発等支援対策事業を使ってBtoC向けの新商品開発に踏み出したきっかけは、販売所などからの声だったと堀内さんは話します。
「年々小麦粉の値段が上がり、その代わりとして米粉の需要が上がっているという話と共に、使いやすくて失敗しない米粉商品はできないだろうか、という要望をもらっていたのです。もともと『小麦粉の代わりに~』は1商品つくっていましたが、さらに商品の幅を広げたいと思っていましたので、本事業を活用して開発をしようと踏み切りました」
特に需要が高かったのは、和菓子用ではなくケーキなどの洋菓子、そして料理用の米粉だったと堀内さん。 「小麦粉の代わりに米粉を使ったときに戸惑うのが、吸水率の違いです。これによってパンなどは膨らみにくいため、失敗してしまう。その差異を克服し、小麦粉と同じように使える米粉を開発しようと工夫しました」
そこで堀内さんは、和菓子用の米粉(平均100ミクロンの粒度)とは異なる、小麦粉の粒子と同程度の30ミクロンで均等な米粉をつくろうとしました。しかし、米と小麦は硬さも違います。軟らかく粉砕しやすい小麦と比べ、硬い米を小麦粉のように細かく製粉するには、様々な工程が必要となります。
具体的には、玄米を精白する工程、水に浸して米を軟らかくする工程、製粉する工程、粉砕した米粉を乾燥する工程まで経て米粉は完成するのです。これらの工程を行える新しい機器を、本事業を活用してそろえることができたと堀内さんは話します。
「もともとある機械は初代から使い続けてきたもの。それに新しいラインが増え、精度とスピードが増しました。衛生的にも優れていて、異物混入の心配もありません。より安心・安全な米粉をお届けできるようになりました」
完成した「米粉屋さん ほりうちの小麦粉の代わりにピッタリ米粉」は、高い吸水率が最大の特長。一般的な米粉と比べ、堀内製粉が培ってきた製法によって、圧倒的に水を吸い、それでいて生地がべちゃっとはならないのだそうです。
「小麦粉と同じ感覚で使ってもらえて失敗しない。広くたくさんの方に使ってもらえる新しい商品となりました」
高い吸水率を誇る「米粉屋さん ほりうちの小麦粉の代わりにピッタリ米粉」は、その高い吸水率ゆえにパンやケーキ、焼き菓子の仕上がりが硬くならないのも特長。その点をウリにして、ベーカリーやケーキ屋さんなどへ販路を拡大できないか探っていく予定とのこと。
「パンやケーキなどのほか、製麺に使えばもちもちとした麺ができます。業種を限定せずに、広い視野で販路を広げていきたいと考えています」
そう笑顔で話す堀内さん。また、米粉一筋でやってきた堀内製粉は、小麦粉などの扱いがないため、小麦粉アレルギーの方への対策やコンタミネーションについての心配もほとんどありません。グルテンフリーの需要にも応えられると期待もしています。
また今回はデンプン含有量が多い国産米だけを原料に使うことで、米粉特有の美味しい甘さがより楽しめる商品になったとのこと。堀内さんが特にこだわったのが、この「美味しさ」でした。
「米粉を使ったお菓子や料理などが増え、米粉の普及は進んでいます。さらに普及させるためには『美味しいこと』がなにより必要。健康志向の人やアレルギーの方はもちろん、幅広い方々からも『美味しいから』と選ばれる。そんな米粉を提供することで、ファンの方を増やしていきたいと考えています」
堀内製粉のある滋賀県は、近江米をはじめブランド米を産出する日本有数の米どころ。その滋賀県から「美味しい米粉」を世の中に送り出せることは、大きな意義があると堀内さん。
「米粉はまだまだ発展途上、つまり伸びしろがある。業界全体で盛り上げて米粉の需要を拡大していかねばなりません。その活動に、米の一大産地である滋賀県で米粉の製粉に専念してきた堀内製粉だから完成できた『美味しい米粉』で貢献したいですね」 と力強く話してくださいました。