微細粒製粉の米粉を主原料に使用して、米粉パンの新しいおいしさを追求したロールパン。もちもちとふわふわを共存し、焼きたてから翌日までしっとり感をキープ。直営ベーカリーでは生地から仕込み、店内で焼き上げます。噛むほどに米の甘みが広がり、子どもから大人まで幅広く好まれる味わいで、毎日の食卓にぴったりです。
単品 販売予定価格100円(税込)/1個
袋入り 販売予定価格470円(税込)/5個
・シャンパンベーカリー桜ケ丘店
神奈川県平塚市桜ヶ丘4-46
Tel.050-3777-7600
・直営4店舗(平塚市、藤沢市、鎌倉市)
神奈川県平塚市の高久製パンは、大正時代の1924年創業の老舗製パン会社。神奈川県学校給食指定の製パン工場では学校給食や業務用の各種パンを製造するほか、湘南エリアに旗艦店の「シャンパンベーカリー」をはじめとする直営3店舗を展開しています。
同社では20年以上前から米粉パンを学校給食向けに製造し、地域の小中学校や高校、保育園などの児童・生徒へ届けてきました。そして今回、米粉商品開発等支援対策事業を機に、米粉のパンを直営ベーカリーでも提供しようと、新商品のレシピ開発に取り組むことを決めました。その第一歩として挑戦したのは、米粉のロールパンです。
なぜ、数あるパンの種類の中から最初にロールパンを選んだのか。その理由について、同社代表取締役の高久直輝さんは次のように語ります。
「日本人に馴染みのあるお米が原材料の米粉で、飽きずに長く食べていただける食事系のパンをつくろうと考えました。米粉のコッペパンは、大手製パン会社を含め、すでに多くの商品が市場に出ています。せっかくなら、まだ誰も手掛けていないものに挑戦しようと取り組みました。もともとロールパンは口当たりが軽く、幅広い世代に好まれています」
折しも、製粉メーカーの講習会で微細粒製粉について学んだ高久さん。これを使えば、通常の米粉パンのレシピでは相反することの多い「もちもち」と「ふわふわ」を共存させ、翌日も硬くならない理想の米粉ロールパンがつくれると考えたのです。
「微細粒に製粉した米粉は、従来の米粉と比べて粒に対する表面積が大きく粉がより水を吸いやすいので、焼いた翌日のパサつきを防ぐための策になるのではないか」と仮説を立て、この新しい米粉を使って試作に取り掛かりました。
しかし、理想と現実の隔たりは大きく、思うようには進みません。最初に焼き上げた米粉パンの膨らみは、ベーカリーの名にかけて到底受け入れられるものではありませんでした。
最初の試作について、「ふわふわ感がまったく足りていなかった」と高久さんは振り返ります。ミキシングの調整など試行錯誤を重ねた結果、最適な配合としてたどり着いたのが、以前から学校給食用に使用している米粉とのブレンドでした。この製パン用米粉には、長年使用されてきた実績があり、わずかに小麦由来のグルテンが含まれています。
グルテンを使用しない方法も試みましたが、食感や風味の面で課題が残りました。「材料は日々進化しているので、取引先のメーカーと協力しながら、将来的にはグルテンフリーにも挑戦したい」と高久さんは前向きに語ります。
こうして完成した米粉ロールパンは、旗艦店「シャンパンベーカリー桜ケ丘店」で販売を開始。店内の工房で生地から丁寧につくられ、焼きたての状態で提供されます。天然酵母を使用する同店の米粉パンづくりには、適切な温度・湿度の管理が不可欠です。そこで、より高品質なパンを安定的に製造するため、新たにドゥコンディショナーを導入。また、量産化に向けて、デリケートな米粉生地を0℃からマイナス2℃の温度帯で乾燥を防ぎながら寝かせておけるフリーザー技術を採用しました。
「まずは地元のお客様に米粉ロールパンを召し上がっていただき、フィードバックをもとにレシピを改良しながら、湘南エリアに展開する計5店舗の直営店で販売していきます。ご家族で楽しんでいただけるよう、5個入りの袋詰めがメインです。また、自社ブランドの棚を持つ市内のスーパーマーケット各店やJAファーマーズマーケットなどでも販売できる準備が整っています」と高久さんは展望を語ります。
高久製パンにとって、米粉ロールパンの開発は始まりにすぎません。今後も新たな米粉パンの開発に取り組む予定です。その中で、「次は揚げパンに挑戦したい」と高久さんは話します。
「小麦粉の揚げパンはすでにつくっていますが、米粉で試作したところ、日本人好みの甘みが感じられ、面白いと思いました。学校給食で生徒さんたちに人気の揚げパンを、直営店でも提供して、お客様の意見を聞きながら完成させたいですね」と意気込みを語ります。平塚市内の直営3店舗にはフライヤーが備えられているとのこと。揚げたてを提供できる日も近いでしょう。
米粉パンのレシピ開発に関する抱負を尋ねると、「学校給食で20年間、米粉を扱ってきた自負があります。これまで培った経験を活かし、市販のパンでも、地元のお客様がまだ出合ったことのないほどおいしいパンを提供し、喜んでもらえるよう頑張ります」と力強く語ります。
湘南・平塚で一世紀。子どもから年配者まで、地元に暮らす幅広い層のニーズを熟知する老舗製パン会社。新しい材料や技術を積極的に取り入れ、長く愛される米粉パンをつくり続けていくことでしょう。