株式会社morning boostが展開するスイーツブランド「UPBEET!Tokyo」は、日本発祥のグルテンフリースイーツ。乳・卵に白砂糖も使わず、体に良いとされる玄米粉をはじめ、ひよこ豆やきび粉などプラントベースの食材のみを使用しています。ドーナツでは生地の発酵を促すために、日本古来の発酵食品「みりん」を採用。揚げることなく焼きと蒸しの製法で仕上げたフワもち食感が美味しい、毎日食べても罪悪感ゼロの体にも心にもうれしいスイーツです。
UPBEET!ドーナツ(プレーン/ビーツベリー/ピーナツバター&ミルクチョコ/キャロットケーキ/有機抹茶) 454円(税込)/1個60g
UPBEET!ドーナツ(レモネード/メープルスイーツポテトパンプキン/ピスタチオ/生チョコハート) 518円(税込)/1個60g
玄米粉ドーナツ 302円(税込)/1個60g
・UPBEET!ドーナツ:全国のスーパーやセレクトショップ、首都圏のコンビニなど
・玄米粉ドーナツ:提携食料品店
みりんや甘酒など、古来より日本で愛されてきた発酵食品は枚挙に暇がありません。昔の日本人は、それらの発酵食品をはじめ菜食ベースの食生活を送っていたはず。その良さを採り入れつつ、日本ならではの食材を使ってつくられるスイーツブランドが株式会社morning boostの「UPBEET!Tokyo」シリーズ。米粉商品開発等支援対策事業の活用で世界進出への手応えをつかめたという、代表の神宮司希望さんにお話をお聞きします。
「乳・卵不使用」「小麦粉不使用」「白砂糖不使用」そして「日本の発酵食品使用」を約束し、100%植物性由来の日本産のこだわり食材を使用してつくられているのが株式会社morning boostのスイーツブランド「UPBEET!Tokyo」です。手がけるスイーツは、ドーナツ、チーズケーキ、ブラウニー、クッキー&ビスケットなど。全品が日本ヴィーガン協会の認証を受けているほか、約半数がジャパン・ハラール・ファンデーションの認証も受けています。
「航空会社に勤めていた時に海外の様々な国を訪れ、ベジタリアンやヴィーガン、ハラールなど食文化の多様性を目の当たりにしました。海外のレストランでは、個人の嗜好などに合わせて多様な食事を自由に選択できるのがもはや当たり前の日常になりつつあります。でも、日本はまだまだ対応が遅れているのが実際のところ。そこで『誰もが同じテーブルで食べることを楽しめるように』と2018年に『UPBEET!Tokyo』を立ち上げました」
そう話す神宮司さんがこだわったのは「見て可愛い、食べて嬉しいプラントベース&グルテンフリースイーツを通して、健康や笑顔を、そして毎日や人生に“ワクワク=Up beat”を届けたい」というコンセプト。そのために、誰もが安心して食べられるプラントベース(植物性100%)の素材でのスイーツづくりを行っています。
ただ、ドーナツやブラウニーでは「小麦粉を使わず日本の食材である米粉を使用する」と決めたものの、当初はうまくいかず苦労したそうです。その活路を拓いてくれたのも、日本で古くから親しまれている発酵食品だったと神宮司さん。
「日本発のブランドを日本だけでなく世界にも広めたい、と米粉、それも玄米粉を使うことを決めました。ですが、米粉や玄米粉でつくるとスイーツがどうしてもべちゃっとなってしまう。そこで日本でよく使われるひよこ豆やきび粉などを加えるといった試行錯誤を繰り返しました。中でも最大の課題だったのは『米粉は発酵がうまく進まない』というもの。そこで日本の発酵食品を使うことを思いつきました。発酵食品は、納豆にはじまり甘酒やみりんなど、日本で古来より親しまれています。さらに健康にも良いというコンセプトにも合致しています。このアイデアがうまく効果を発揮し、商品として販売できるスイーツが誕生したのです」
改めて発酵食品の素晴らしさを実感したという神宮司さんは、日本固有の食文化の継承を目的に、発酵マイスターとしても国内外で発酵食品の魅力を伝え、地方創生に貢献するようにもなりました。そして2024年度には米粉商品開発等支援対策事業を活用し、商品のリニューアルとブランドの更なる飛躍を目指したのです。
「まず行ったのは商品のリニューアルです。米粉、それも玄米粉の魅力をより広めようと、これまで以上に配合量を増やしました。玄米は海外でも米よりも栄養価の高い『ブラウンライス』として人気が高まっています。リニューアルを機に、海外でも注目を集めることができればという期待も込めました」
2024年度は、本事業を活用して日本だけでなく海外の展示会にも初参加したという「UPBEET!Tokyo」。そこで大きな手応えを感じることができたと神宮司さんは話します。
「玄米粉を使用した体に良いスイーツとして、大きな注目を集めることができました。グルテンフリーのスイーツは海外には多くありますが、米粉を使っているものは珍しく、その中でも玄米粉を使っているというのはかなりのレア。たくさんの方から問い合わせをいただき、玄米粉の魅力と可能性を再確認できました。また、日本の発酵食品を使用している点に興味を持っていただけることが多く、説明をするととてもポジティブな反応が返ってきたこともあり、さらなる手応えを得られました」
現状の賞味期限は常温保存で1週間となるドーナツですが、冷凍すると賞味期限は1年間まで延びます。冷凍食品として海外で販売する選択肢はありますが、ネックとなるのは輸送費。価格に冷凍での輸送費が乗ってしまうと、かなり高級なスイーツのカテゴリに入ってしまうからです。
それではコンセプトに掲げた「誰もが同じテーブルで食べることを楽しむ」から離れてしまいます。それでも、健康志向と日本食ブームの後押しもあり、「UPBEET!Tokyo」のスイーツが支持をいただける可能性は大きいと確信ができました。今後は、海外での販売も視野に入れて商品開発を進めていくと神宮司さんは話します。
本事業を活用して、パッケージのリニューアルも実施しました。透明な窓をつけて商品が見えるようにし、デザインを変えることで売場での視認性を高めたといいます。
「健康食品など体に良い商品は、デザインが地味な場合も多い。それでは『ワクワク』して手に取ってもらえることは難しい。『UPBEET!Tokyo』は20~50歳の女性がメインのユーザー。とても幅広い年代に好まれています。オンラインショップでは、男性からの注文も多くあります。アンケートを採ると、多くの方がプラントベースやグルテンフリーに興味を持ち、緩くさまざまな商品を試している段階だとわかりました。そういった方々の目をパッと引き、気軽に手に取ってもらえるよう、ピンクを前面に使ったキャッチーなデザインを心がけました」
こうして、よりたくさんの人に「UPBEET!Tokyo」のスイーツを食べて喜んでもらいたい。そして、美味しくて体に良いスイーツがあることを知ってもらい「プラントベースだけど」「グルテンフリーなのに」から「プラントベースだから」「グルテンフリーだから」と選んで、食べて喜んでもらえるようになりたいと神宮司さん。
「海外の展示会を経験して、視野が広がりました。国内では首都圏以外の大都市へも販路開拓を行っていきたいと思っています。そしてまだまだ踏み込めていない、インバウンドのお客様をたくさん迎えるホテル業界や飲食チェーンなど、多様な食の選択肢が求められる業界にも販路を広げることも考えています」
今後も新商品の開発や商品のブラッシュアップを行い、もっと手に取りやすい商品を次々生み出したい、と神宮司さんは話します。日本はもちろん世界中の人との接点を持つことで、海外でも求められるスイーツに成長していく「UPBEET!Tokyo」。美味しいと喜んでくれる人が増えるほど、日本発祥のプラントベース&グルテンフリーのスイーツブランドが、世界へと羽ばたく日も近づいているのです。