SDGsなどエコロジー意識や健康志向が高まる現代のニーズにマッチした米粉商品が登場しました。国産有機JAS認証米を使用し、フードマイレージやコンタミ対策に配慮して製造される「有機米粉ECO」は、利用することで消費者も間接的にエコロジー活動ができる商品です。湿式製法により有機米本来の旨味が引き出され、調理や製菓などさまざまな料理に利用できる汎用性の高さも魅力のひとつ。もちろんグルテンフリーなので、健康志向の人にも使ってほしい米粉です。
1,500円(税込)/500g
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「いま、そしてこれからの時代に合わせた米粉を開発しました」と話すのは、1945年に乳児用穀粉の製造販売をはじめてから80年にわたり穀物粉に携わってきた栗林食産株式会社代表取締役の栗林大輔さん。同社は上新粉やきび粉、餅粉など和菓子用の各種原材料を業務用に卸すほか、一般消費者用にも天ぷらやお好み焼きなどさまざまな料理に利用できる米粉のミックス粉を製造販売している穀物粉のエキスパートです。穀物粉を知り尽くした同社が、これからの時代を見据えて新たに世に送り出した米粉商品とはどのような粉なのか、栗林さんにお聞きしました。
栗林さんが今回の米粉商品開発等支援対策事業を活用して開発した商品は、有機米を使用した「有機米粉ECO」。その名の通り、有機JAS認証米を100%使用した米粉商品です。有機JAS認証米は認証を受けた圃場で収穫された米で、化学肥料や化学合成農薬を使用しない環境への負担を軽減した方法で栽培されています。
米の国内総生産量のわずか0.12%(2021年度統計)という希少な米を使用してつくられた「有機米粉ECO」は、当然環境や食べる人の健康に配慮された商品です。グルテンフリーやセリアック病というキーワードが広く知られるようになり、健康志向の高い人が増えている現代の食生活ニーズにマッチした食品と言えるでしょう。これが、「有機米粉ECO」がこれからの時代を見据えた米粉である理由のひとつです。
商品名にある「ECO」は有機米を原料にしていることだけを示唆しているわけではありません。栗林さんの思いと「有機米粉ECO」が果たす役割やもたらす効果が、ECOの文字に込められているのです。
「健康志向だけでなく、持続可能な社会やエコロジーに対する人々の意識は高まっており、エコロジー活動にかかわりたいと考える人たちが増えていると感じています。しかし、個人でできることには限りがあります。その思いに応えるために『有機米粉ECO』を開発しました」と栗林さんは話します。
具体的には、地元で収穫される有機米を利用するなどフードマイレージに配慮した原料調達や、製粉工場で利用する電力を再生可能エネルギー由来としてCO2排出量を実質ゼロにするなど、調達から製造における過程において、そして「有機米粉ECO」を製造する工程でできる米ぬかを有機栽培に循環利用するなど、コンタミ対策においてもエコロジーやSDGsにつながる方法が採用されています。
「つまり、『有機米粉ECO』を使ってくださることで、お客様も間接的に持続可能な社会づくりをサポートすることになるわけです」(栗林さん)。これが、「有機米粉ECO」がこれからの時代にマッチする米粉であるもうひとつの理由です。
もちろん社会や時代のニーズへの対応だけが、栗林食産が商品開発で目指したことではありません。開発の第一の目的は、あくまで食べてもらいやすいおいしい米粉であること、米粉を食べやすく料理してもらうことです。そのために地元で開かれている料理教室などで試食会を実施して、利用者の生の声を収集しレシピを開発するなど、米粉の開発や普及に余念がありません。
栗林食産では、ミックス粉を中心に「日本のお米でつくった」シリーズとして米粉商品を展開。そのラインナップはホットケーキやクレープなどの菓子用、天ぷら粉やお好み焼き、チヂミなどの惣菜用など6種に及びます。「有機米粉ECO」は、料理や菓子の特性に合わせたこれら米粉ミックス粉の開発で培ったノウハウが活かされているといいます。
栗林さんは「有機米粉ECO」の特徴を「湿式製法で米本来の旨味を引き出し、調理用にも製菓用にも利用できる汎用性の高い使いやすい米粉に仕上がりました」と話します。さらに「産地や品種が異なる米を扱う場合でも、米粉の品質を均一化できる技術も身につきました」と話すとおり、今後もおいしく、さまざまな料理に使用できる米粉商品のさらなる開発が期待できます。
戦後のミルク不足を解消するための代替ミルクとして製造した育児栄養乳児用穀粉にはじまり、栗林食産は、これまでに独自技術や当初類似品が見られない商品を数々開発製造してきました。今回の「有機米粉ECO」に関しても「今から10年ほど前に米粉ブームがありました。その当時はまだ有機米の市場価格は割高で、十分に世の中に浸透するまでには至りませんでした。しかし、10年前はSDGsが国連サミットで採択されたのと同じ時期。その頃から有機米を原料とする米粉の商品化を構想していました」と話すとおり、きっと同社には時代のシーズやニーズを先んじて掴み取り、時代にマッチした商品を生み出すDNAが刻まれているのでしょう。
栗林さんは今後の展望について「米粉の海外展開を検討していきたいと考えています。残留農薬に関する規定は国ごとに違っていますが、有機米であればその課題もクリアします。ヨーロッパは健康志向が高いので可能性はあると考えています」と話します。
これからも栗林食産のDNAは着実に受け継がれ、米粉商品とともに、その思いはグローバルに広がっていくことでしょう。