
京都をはじめ多くの有名和菓子店に米粉を納めている老舗米粉商の図司穀粉。約80年の歴史で培ってきた経験とノウハウに加え、均一な粒度で製粉できる最新の品質管理を駆使した新サービスをスタートさせました。それがお米を送れば、最適な粒度で米粉を製粉してくれる「自家米加工サービス」。熟練の職人も信頼を寄せる高品質な米粉を、気軽に試せるチャンスです。
白米粉 6,980円(送料・税込)/15~25kgまでの加工
分搗き・玄米粉 7,880円(送料・税込)/15~25kgまでの加工
※本州以外の地域は着払いとなります
・自社ECサイト
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創業80年を超える京都府京都市の米粉製粉の老舗・株式会社図司穀粉(以下、図司穀粉)。数々の有名和菓子店に米粉を納めてきた他にはない高い実績を誇ります。そんな老舗でも、頭を悩ませ続けてきたのが、米粉の品質に直結する「粒度」です。その課題を解決するために、商品開発担当である圖司昌彦さんは、米粉商品開発等支援対策事業を活用しました。
「もっと早く、もっと頻繁に、製粉した米粉の粒度が測定できれば、よりお客様のニーズに合致した均一な米粉を提供できるのに」
日々工場で米粉を製造している圖司さんは、そんな悩みを抱えていました。米粉の粒度は、米質に左右されます。しかし米質は、栽培された年の気候や水温、吸水率、保管状況、製粉工程など、さまざまな要因が複雑に絡み合って変動するため、毎年同じになるとは限りません。同じ品種・同じ生産者の米を同じ設定で製粉しても、粒度が異なることがあるのです。
これまで図司穀粉は、2~3カ月に1回の頻度で製粉した数種の米粉を京都府の中小企業センターに持ち込み、粒度を測定。それぞれの米質と測定結果を照らし合わせ、米質のどんな要素に影響されて米粉の粒度が変化するかを推測してきました。その結果を基に、米質に合わせてねらった粒度で製粉ができる方法を探っていたのです。

「粒度測定を実施するのは、米粉の出荷後。基本的に後手なのです。『次回こそ100%に近い形でご要望に応えよう』と改善に努めることはできますが、出荷した米粉の粒度は変えられない。そのため、熟練の職人さんから『今回の米粉は、粒度が合わなかった』と厳しいご意見をいただくこともあったのです。だから粒度を均一に保つために、製粉中に粒度測定を実施できる環境の整備は、当社の悲願でした」
ですが、従来の粒度測定器は高額な上に測定に時間もかかり、導入は現実的ではありませんでした。
「当社はこれまでも摂南大学農学部に協力を仰ぎ、用途別専用米粉の開発や、米質と米粉の粒度の関係究明を進めてきました。その取り組みの中で、以前より圧倒的に安価でスピード良く粒度測定ができる機器が開発されたと教えていただけたのです」
そこで本事業を活用して、機器の導入を決断。新商品と新サービスの開発プロジェクトも始めることとしたのです。

「本事業を活用して導入した粒度分布測定器は、わずか2分ほどで粒度を測定することができます。そのため、製粉のスタート時や途中でも迅速に測定し、均一な粒度になるよう製粉設定を調整することも可能になりました」
これまでは、多様な条件で粒度が変化するため、商品に粒度の数値を示すことができていませんでしたが、機器の導入により自社工場で測定した精緻なデータを示すことができるようになりました。品質管理を徹底しているエビデンスをデータで示せるため、今まで以上に安心し、信頼して図司穀粉の米粉を使っていただけるようになったと圖司さんは話します。
さらに測定器を活用し、多種多様な米を条件を変えて製粉し、そのデータを比較することで、米質と粒度の関係も、少しずつ見えてきたそうです。それにより、いままで以上に“失敗の少ない”用途別米粉の開発にも成功しました。
「米粉は粒度の大きさによって食感や用途が大きく変わります。例えば粒度が細かいほど、きめ細やかな口当たりとなり、パンや洋菓子に適しています。その『細かいほど』が正確にどんな粒度なのか、摂南大学と協力して数値を解明したのです」
パンや洋菓子のほかにも、お好み焼きやたこ焼き、唐揚げに適した粒度も明確になりました。いままで以上に各用途に特化し、“失敗の少ない”専用米粉を、レシピと共に発売する予定です。
本事業を活用して導入した粒度分布測定器によって、図司穀粉の製品づくりは次のステージに進むことができたと圖司さんは笑顔で話します。


さらに新たなサービス「自家米の加工サービス」のスタートも計画されています。小ロットでの製粉が可能な自社工場の利点を活かし、15kgから米粉の製粉を受注します。白米、分搗き米、玄米など精白度は問いません。お米を送ってもらい、パン・洋菓子用あるいは和菓子用の指定に合わせて、製粉を行います。1回につき15~25kgまで注文が可能で、送料込みで価格は一律、白米粉は6,980円、分搗き米と玄米は7,880円を予定しています。
「粒度測定器を自社で持っているので、どんな米質のお米を送ってもらっても、自社で測定しながら、用途に最適な粒度で製粉できます。広く全国の方に使っていただきたいので、新たに『米粉加工本舗』というブランドでサイトをオープンし、受注する予定です。そのサイト制作や包装材の購入にも本事業を活用しました」
まずは生産者10件、小売3社からの受注を目標に、営業に力を入れているとのこと。「使ってもらえば、加工サービスの品質・実力は伝わるはず」と圖司さんは力強く話します。
また米の品種や粒度にこだわり抜きたいプロ用に、より詳細に条件を選んで米粉製粉を発注できるサービスも検討しているとのこと。サイトでは、用途ごとにどの粒度が最適かなど、データと一覧表に加えて圖司さんの解説も掲載する予定だそうです。
「創業以来、和菓子職人さんなどプロに向けて、専門的な米粉を納めてきました。でもデータによるエビデンスまで問われると弱かった。今回の測定器の導入で、その点が強化されました。今後はプロに向けてはよりマニアックな製品を、米粉を使った製パンや製菓に興味を持った人には手軽に使えて失敗の少ない製品を、これまで以上に自信を持って提供できる。創業から80年の歴史を経て、図司穀粉の米粉は、ひとつ上のステージに到達することができたと感じています」
今後も米質と粒度の関係を追究してよりよい米粉を製造に活かし、その結果、全国の米粉の普及を促進していきたいと圖司さんは話してくださいました。
※本記事は2026年1月時点の情報です