お米の力で日常をもっと軽やかに。米粉麩とパンに込めた想い

お米の力で日常をもっと軽やかに。米粉麩とパンに込めた想い

彩り豊かなキューブ型の玄米パンや玄米鯛焼きなど独創的なアイデアで米・米粉の新しい価値づくりに挑戦し続けるピュアネクサス株式会社。代表の椋本加奈美さんが見据えるのは、小麦の代替としての米粉ではなく、現代人のライフスタイルにフィットする、日本の食卓を支える主役としての米・米粉の姿です。同社の新たな挑戦のひとつが、今回の米粉商品開発等支援対策事業を活用した玄米粉でつくる「温めなくても食べられる米粉パン」と「グルテンフリー米粉麩」の開発です。

手間を贅沢に変える常温パンと、伝統を現代へつなぐ米粉麩

ピュアネクサスが今回着手した「温めなくても食べられる米粉パン」は、これまでの米粉製品が抱えていたウィークポイントに対するひとつの回答と言えるものです。一般的に米粉パンは、時間の経過とともにデンプンが老化して硬くなりやすく、食べる直前に電子レンジやトースターでリベイクすることが当たり前とされてきました。しかし、椋本さんはこの手間こそが、日常的に米を食べるうえでのハードルになっていると感じていました。

「忙しい朝や外出先で、わざわざ温め直さなければならない不自由さを解消したかったんです」と椋本さんは話します。この課題を解決するために約1年という開発期間が費やされました。米粉は水分量が多いと傷みやすくなるため、柔らかさを維持しながら品質を保つ調整には非常に苦労したといいます。玄米粉の粒度の吟味、さらにはアルファ化米を組み合わせる独自の配合。これらによって常温のままでも翌々日までしっとりとした柔らかさを維持する玄米粉パンが誕生しました。
これまで時短優先で朝食を摂らなかった人にとって、このパンは日常の利便性を高めるアイテムになるはずです。さらに、ライフラインが止まる災害時の非常食としても、米の栄養を摂取できる「食の備え」としての価値も併せ持っています。万一のときこそ「おいしい」食べ物ほど力になる。そんな心身に活力をもたらしてくれる一品と言えるでしょう。

手間を贅沢に変える常温パンと、伝統を現代へつなぐ米粉麩

同じ時期に開発された「米粉麩」は、日本の伝統食材である「麩」を米粉でつくるという非常にユニークな食材です。グルテンを使わずに麩特有のふわっとした食感を実現することに骨を折ったそうですが、親交のある日本料理店と協力しながら完成。出汁をたっぷりと吸い込み、優しい風味に加え玄米らしい渋味がアクセントの米粉麩は、ヴィーガンやハラール対応が求められる精進料理店や海外の日本食ファンへ届けるアイテムとしても期待されています。
「米粉パンや米粉スイーツが普及してきた今だからこそ、よりニッチな部分を開拓することに本来の意味がある」という椋本さんの言葉からは、伝統を現代のニーズに合わせてカタチを変えて届ける、米粉を極めたプロフェッショナルとしての自負が感じられます。

企業との連携が加速させる米粉の新たな可能性

企業との連携が加速させる米粉の新たな可能性

ピュアネクサスの活動は、自社ブランドでの直販に留まりません。むしろ、椋本さんがより大きな意義を見出しているのは、企業や飲食店との米粉商品の供給やコラボレーションと、それらを通じた米粉の流通の拡大です。米粉を一時的な「流行」に終わらせず、日本の食文化として「定着」させるためには、社会全体の流通量を増やしていく必要があると考えているからです。

同社では、すでに空港施設での高級お取り寄せグルメ、ショッピングモールへの展開など高い品質とストーリー性が求められる販路での卸展開が着実に進んでいます。棒状と玉麩の2種類が用意される米粉麩も日本料理店などで利用され、玉麩は料理の演出にもなる彩りあるものも開発しています。さらに要望に応じて、板状などさまざまな形状に加工できるので、麩のステーキやヒレカツなどヴィーガン対応も可能だといいます。インバウンド層などに日本を楽しんでもらうストーリーづくりに、きっと一役を担ってくれるでしょう。

ピュアネクサスが提供する米粉商品は用途に合わせた柔軟性を意識してつくられており、加工側にとって扱いやすさや生産能力の向上につながるメリットがあります。
「用途にあった米粉が続々と現れることで、加工側はより効率的にコスパ良く製品をつくることができます。それが結果として消費者の手に届きやすい価格や品質につながると考えています」と椋本さん。自分たちの商品が米粉を食べる機会や日々の料理などに使うきっかけになることで、社会全体で米の消費を支える仕組みを椋本さんはつくろうとしています。

食のインフラとしてのお米。ピュアネクサスが描く新しい食文化

ピュアネクサスが描く未来において、米粉はもはや健康志向のある人たち向けの特別な食品ではありません。小麦粉と同じように、家庭のキッチンやレストランの厨房に当たり前に存在し、日常の風景に溶け込んでいるものです。今回のプロジェクトで開発された「温めなくても食べられる米粉パン」や「米粉麩」は、その景色をつくるための重要な布石と言えるでしょう。

今後の展望について、椋本さんは「流行に左右されることなく、日本の食文化の重要性を新しいカタチで伝えていきたい。その役割を担うのが自分たちのミッションと考えています」と、その想いを口にします。
今後は企業との接点を一層増やし、BtoBの枠組みを強化することで、年間販売最大30,000個達成とともに、米や米粉を日本の食文化を象徴する食のインフラとして機能させることを目指しているといいます。さらにピュアネクサスはフランチャイズ展開も進め、多くの人との接点増強を図っています。

食のインフラとしてのお米。ピュアネクサスが描く新しい食文化
食のインフラとしてのお米。ピュアネクサスが描く新しい食文化

「お米は日本の文化そのもの。お米や米粉を現代のニーズに沿った形で柔軟かつユニークに展開していきたい。そうして、米粉が世の中に普通にある社会にしたい」
ピュアネクサスの原点にあるこの想いの実現に向けて、椋本さんはこれからも企業や行政、フランチャイジーなどさまざまなネットワークとの共創を軸に、新しい食文化のスタンダードづくりに突き進んでいくことでしょう。

※本記事は2026年2月時点の情報です