
フグの取扱量日本一を誇る山口県・下関で、明治時代から仲卸業を営んできた老舗が、新たに「新食感!もっちり米粉のふぐ唐揚げ」を開発しました。衣に米粉を約30%ブレンドしたことで、外側は香ばしくカリッと軽快な食感に、中はやわらかで上品なフグの味わいを楽しめる一品に仕上がっています。食べやすいサイズにカットされているので、家庭では冷凍のまま油で揚げるだけという手軽さも魅力です。
3,980円(税込)/200g×3パック
・自社ECサイト
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山口県下関にある山西水産株式会社(以下、山西水産)は、1879年創業の老舗仲卸会社です。同社では新鮮な魚介を市場から仕入れて飲食業者などに販売するほか、自社工場で魚の加工と販売も手がけています。異業種の会社から転身して家業を継ぎ、現在は代表取締役を務める山西伸典さんは、下関名物のフグを生かした新商品として、衣に米粉を使った唐揚げを開発しました。
古くから港町として栄えてきた山口県下関には、フグを専門に扱う市場として知られる南風泊市場があることから、全国各地で水揚げされたフグが集まります。山西水産は、そんな“フグのまち・下関”で140年以上仲卸業を営んできました。同社では毎朝市場で仕入れた新鮮な魚介を飲食店などへ卸すほか、刺身や鍋物の具材、焼き物といった加工品の製造・販売も行っています。そんな山西水産では、自社製品であるフグの唐揚げをリニューアルし、衣に米粉をブレンドした「新食感!もっちり米粉のふぐ唐揚げ」を開発しました。


使用するフグは、近海で水揚げされるマフグを中心に、日本海で獲れるゴマフグやシロサバフグなどを漁期に合わせて選定しています。市場で仕入れたフグは、熟練の職人によって手早く処理されたのち、衣を付けて冷凍します。このスピード感ある作業工程が、おいしさの秘密です。
開発業務を統括した山西さんは、「最近、米粉を使ったパンやスイーツなどをよく見かけるようになり、当社の商品でも米粉を使った商品をつくれないかと検討しました。いろいろ調べてみると、フグの唐揚げの衣に米粉を使っている商品は見あたらないことがわかりました。そこで米粉商品開発等支援対策事業を活用して、当社のフグの唐揚げをリニューアルし、新たな魅力をもつ商品として発売することにしました。衣に米粉を使用することで、従来の唐揚げと違う食感や味わいを生み出し、他社との差別化を図ることができるのではと考えたのです」と開発のきっかけを語ります。
山西さんたちは原料となる米粉の選定を開始し、各地からサンプルを取り寄せて比較検討しました。そして、もっちりとした食感が決め手となって熊本県産の米粉に決定しました。続く衣づくりでは、米粉をブレンドする割合やスパイスの組み合わせなどを細かく調整、最終的に米粉は約30%使用することになりました。
新しい衣でつくった唐揚げを社内で試食してみると「香ばしくて、サクッとした食感がいい」「これまでの唐揚げとは違うもっちり感がある」といった声があったそうです。

米粉使用のメリットについて「米粉は小麦粉に比べて吸油率が低いため、サクサクとした食感が得られます。また米の粘りがフグの身を包み、よりやわらかでもっちりとした仕上がりになりました。フグは高タンパク・低脂肪でコラーゲンも豊富、ヘルシーな食材として知られています。唐揚げはカロリーが高めというイメージがありますが、米粉を使えばそうした印象を少しでも軽減できると考えています。当社ではこれらを、お客様へのアピールポイントにしていきたいと考えています」とも話してくれました。
完成した「新食感!もっちり米粉のふぐ唐揚げ」は、既存の商品が新しくなったことをわかりやすく伝えるために、今回の補助金を活用してパッケージやラベルを一新し、自社を含めた複数のECサイトで販売を開始しました。

今回、中心となって開発を手がけた山西さんは、保険会社勤務から家業である仲卸業に転身しました。最初は仕事を覚えることが大変だったそうですが、早朝から市場へ出かけてセリに参加したり、フグの調理師免許を取得したりと様々な経験を経て、現在は代表取締役を務めています。そして地元に根ざす老舗企業として、長年培ってきた信頼関係や伝統を守りつつ、新たな分野へも積極的に挑戦しています。
その一つが今回の商品開発でした。山西さんは自社サイトのネットショップ店長も務める傍ら、フグをデザインしたかぶり物を着用して「ふぐユーチューバー」としてYouTubeなどに出演し、商品の特徴やフグに関する知識、さらに地元・下関の観光情報などを発信しています。
「当社で米粉を使った商品開発は、今回のふぐ唐揚げが初めてでした。まずはこれを多くの人に知っていただく手段として、YouTubeやSNSなどを活用したいと考えています。さらに通販サイトでの売上動向を細かくチェックして、今後の販売計画につなげていきたいですね。こうしたマーケティングや商品開発には、今回のような支援事業も積極的に活用していきたいと考えています」
今後の商品展開については、「開発のノウハウを生かし、ブリやアンコウ、タコなど、当社で製造販売している唐揚げ商品に米粉入りの衣を使っていきたいですね。少し時間はかかるかもしれませんが、素材のバリエーションを増やして“米粉の唐揚げシリーズ”を当社の柱の一つとして育てていければと思います。フグは高級料理というイメージがありますが、唐揚げは手軽に楽しめる調理法の一つです。多くの人に味わってもらい、フグのおいしさを知ってもらいたいですね。今回の商品の認知度が上がれば、米粉を知ってもらう機会も増え、消費拡大にも貢献できると考えています」と話します。
「新食感!もっちり米粉のふぐ唐揚げ」を育て、さらに名物のふぐ料理で地元・下関を盛り上げるため、山西水産の挑戦は続きます。
※本記事は2026年1月時点の情報です