素材にこだわったみんなで楽しめるグルテンフリーの米粉餃子

素材にこだわったみんなで楽しめるグルテンフリーの米粉餃子

米粉を使ったパンやピザを開発し、直営店や自社ECサイトで販売している株式会社ふく家(以下、ふく家)。同社では国産野菜や天然塩など、米粉以外の素材にもこだわり、誰もが安心して食べられる製品づくりに取り組んでいます。今回、米粉商品開発等支援対策事業を活用して、皮に米粉を使ったグルテンフリーの餃子を開発しました。開発中は皮と餡のバランスなど、様々な課題を抱えながらも工夫を重ねてクリアし、商品化を実現しました。開発の道のりと今後の取り組みについて、代表取締役の秋保明美さんにお話を伺いました。

グルテンフリーの米粉餃子の開発に挑戦

ご飯のおかずにも、お酒のお供にもなる餃子は、日本各地で広く親しまれている家庭料理の一つです。餡に使う具材の種類や、焼く・蒸すといった調理法によって、多彩なおいしさを楽しめることが魅力です。

「餃子は家庭で手軽につくれますが、市販品を調べてみると、グルテンフリー商品は数品しかありませんでした。そこで私たちは皮に米粉を使用し、焼いても蒸してもおいしく味わえるグルテンフリーの餃子をつくろうと決めました」と秋保さんは開発のきっかけを話します。

そしてまず始めたのは、米粉を使った皮づくりです。米粉は、なめらかな仕上がりを目指して微粒粉砕したものを採用しました。当初、皮は米粉100%でつくる予定でしたが、米粉の風味や仕上がり状態、作業するスタッフの扱いやすさを考慮し、最終的に米粉は約50%、そのほかヤシの実由来のデンプンなどグルテンを含まない素材を使用することで落ち着きました。

グルテンフリーの米粉餃子の開発に挑戦

使用した米粉について秋保さんは「米粉は九州産のミズホチカラでつくったものを使用しています。当社ではパンづくりに使っているもので、スタッフが扱いに慣れていること、米粉としてクオリティが安定していることが決め手になりました。皮をつくってみると、味もよく、餃子づくりに向いていると感じました」と話します。

もちもちとした食感と歯切れの良さを併せもつ米粉の皮は、直径8.5~9cm、厚さは市販の小麦粉の皮より少し厚めの1~1.1mmになっています。完成した皮は、かつて中華料理店でシェフを務めていたスタッフからも「小麦粉の皮と同じくらいよくのびて、包みやすい」と上々の評価だったそうです。

皮と餡のバランスにひと苦労。再調整で納得の仕上がりに

皮と餡のバランスにひと苦労。再調整で納得の仕上がりに

米粉の皮に合わせる餡には、国産のキャベツやニラ、ショウガ、豚肉、天然塩などを使用しています。野菜類はほどよい食感となるようにカットする大きさを検討し、豚肉との割合も細かく調整、砂糖を使わず、米粉と野菜の甘みを活かした味付けにしています。ふく家では本事業を活用して、キャベツの千切り機や餃子の皮をのばす機械などを導入しました。これにより手作業で1時間200個程度だったものが、1,500個ほどつくれるようになると見込まれ、作業の効率化とスタッフの負担軽減に役立つと期待されています。

皮も餡も開発は順調に進みましたが、いざ双方を合わせて餃子にしてみると、思わぬ壁に突き当たってしまったそうです。
「餡を包もうとすると、皮が割れてしまうという問題がありました。これには皮に加える素材を工夫して解決しました。また、皮と餡を別々に食べると、どちらもとてもおいしいのですが、餃子にするとバランスが悪く感じてしまいました。そこで餡を見直し、キャベツの量などを再調整しました」と、秋保さんは振り返ります。
こうして試作と調整を繰り返し、ようやく納得のいく米粉餃子が完成。スタッフで試食したところ、「皮がもちもちしていておいしい」「食べやすく、何個でもいけそう」など好評でした。

秋保さんはこの餃子に「米粉餃子 月夜の龍」と名付けました。
「米粉餃子を開発するためのリサーチで出張した際、偶然見た満月がとてもきれいで、餃子の皮のように見えたんです(笑)。この商品名には、円形に並べて焼いた餃子を家族で仲良く味わってほしい、そんな願いも込めました」と話してくれました。

皮と餡のバランスにひと苦労。再調整で納得の仕上がりに

「「米粉餃子 月夜の龍」は、できたての味を楽しんでもらうため、打ち立ての皮に餡を包み冷凍しています。焼いても蒸してもおいしいのですが、冷めると皮が少し固くなってしまうので、その時は水を少量加えてレンジで温めると、またもちもちとした食感になります」とおいしく味わうヒントも教えてくれました。

これからも、みんなで食べられる米粉製品の開発に注力

これからも、みんなで食べられる米粉製品の開発に注力

新商品「米粉餃子 月夜の龍」は、直営店「SHIMA」で購入できるほか、ランチタイムにはイートインも可能です。さらに2026年5月に東京・ビッグサイトで開催されるグルメイベント「Tokyo Tokyo Delicious Museum」に出店し、商品のPRを行う予定です。

今後の商品展開について、秋保さんは次のように話します。
「今回グルテンフリーの惣菜を商品化できたので、この分野を充実させたいと考えています。米粉餃子も、皮に黒米や赤米、竹炭を加えたり、餡の中身を変えたりとバリエーションを増やしていきたいです。最近、コンビニやスーパーでも米粉パンやスイーツを手軽に購入できるようになり、米粉製品が日常生活に浸透してきていると感じています。私たちは地産地消にも取り組んでいるので、米粉もその土地や風土に合った栽培方法で育った希少なお米を使っていきたいですね。そしてそんな米粉に合わせる野菜や肉などの素材も、国産品を積極的に使っていこうと考えています」

さらにパートやアルバイトに関わらず、スタッフが同じクオリティで製品づくりができるように、今回のような本事業を積極的に活用し、職場の環境整備も進めていくとのことです。 ふく家では、これからも“誰もが食べられる日常食”として、米粉製品の開発に取り組んでいきます。

※本記事は2026年2月時点の情報です