製菓・パン用米粉の新星として富澤商店が売り出す「笑みたわわ」

製菓・パン用米粉の新星として富澤商店が売り出す「笑みたわわ」

全国に93の店舗を展開し、ECサイトは85万人の会員を擁する東京都町田市の株式会社富澤商店(以下、富澤商店)。製菓・製パンの食材をはじめ、多彩な食品を扱う富澤商店で、確固たる人気を誇るのが米粉です。その米粉に新品種「笑みたわわ」の米粉が登場しました。その経緯や発売後のプロモーションや売れ行きについて、商品部の中村裕一さんと菊地恵さん、そして全国農業協同組合連合会(以下、JA全農)の中西一洋さんにもお話しを伺います。

ピンチを回避するために、新品種を使った新製品発売に着手

富澤商店は、これまでも製菓用・パン用の「ミズホチカラ」の米粉を販売していました。ですが昨今の米価の高騰などで食用米栽培に転作する生産者が増加するといった要因から、「ミズホチカラ」が不足気味になっていました。

「当社の製品の中でも、米粉は売れ筋商品。発売以来、パンやお菓子づくりが趣味の方はもちろん、グルテンフリーに魅力を感じられる方や健康志向のお客様にご購入いただき、右肩上がりで売上が増え、今では定番商品となりました。それもあって、『ミズホチカラ』の不足による欠品が起これば、大きな痛手になるのです」

そう話す中村さんは、「ミズホチカラ」に変わる品種はないか、とJAグループが主催する「国産農畜産物商談会」に足を運び、全農パールライス株式会社(以下、全農パールライス)が展示していた新品種「笑みたわわ」の米粉と出会います。

ピンチを回避するために、新品種を使った新製品発売に着手

「『笑みたわわ』は『ミズホチカラ』を親に持つ品種で、特長が似ているという点。なにより米がやわらかいため、製粉時に強い力が要らず、デンプン損傷が少ない、パン用に適した進化系新品種だと聞いて興味を持ちました。そこで資料を持ち帰り検討を始めていたところ、JA全農の中西さんから連絡をいただいたのです」(中村さん)

「笑みたわわ」は全農パールライスが関東を中心に産地振興を進めている米粉専用新品種。その「笑みたわわ」に、全国に数多くの店舗を展開する富澤商店が興味を持ってくれたと聞き、中西さんはすぐに連絡を入れたのです。

「『ミズホチカラ』の生産が九州に集中しているのに対し、『笑みたわわ』は関東を中心に栽培が広がりつつあります。富澤商店様も、店舗が多いのは関東。『笑みたわわ』の認知度拡大と普及の、大きなチャンスだと思いました。そこで、新商品開発・広報がスムーズに進むよう、米粉商品開発等支援対策事業をご紹介しました」(中西さん)

中西さん経由で本事業の存在を知った中村さんは、新商品の広報活動などに活用できる点などにメリットを感じ、参画を決定。全農パールライスと協力し、「笑みたわわ」の米粉を富澤商店ブランドで商品化するプロジェクトをスタートしたのです。

富澤商店の持つ巨大な基盤を活用し、強力に広報活動を推進

富澤商店の持つ巨大な基盤を活用し、強力に広報活動を推進

「笑みたわわ」の米粉は、富澤商店が仕様などを決定し、全農パールライスに製造委託して商品化することになりました。2025年11月には、「国産米(笑みたわわ)製菓用米粉・パン用米粉」として発売がスタート。それに合わせて富澤商店は、本事業を活用して、新しい米粉製品の広報活動に注力したのです。
具体的には、「笑みたわわ」を使用したレシピ開発、その調理工程の動画撮影と配信、店頭用販促ツールの制作に本事業を活用しています。

「当社には、専属のインフルエンサーが多く在籍し、フォロワー数は40万人以上になります。その中でも、米粉に精通している方たちに新レシピの開発を依頼し、SNSでそのレシピを実際につくっている様子をライブ配信しました。また店頭で配布できるはがきサイズのレシピカードも制作しています」(菊地さん)

ライブ配信では、リアルタイムに視聴しているユーザーが150人を超え、コメントも1分に1件以上投稿されるなど、大きな注目を集めました。多くのコメントが米粉の特長や、上手につくるコツなどの質問で、新商品である「笑みたわわ」への関心が高いことがわかりました。

店頭では、発売に合わせて全93店舗で米粉のキャンペーンを実施。店内の動線上最も目立つ場所に「笑みたわわ」を中心に米粉を集めて陳列するとともに、カゴ売りを実施。制作したレシピも配布するのに加え、米粉パンの試食なども実施しました。

「スーパーと違い、富澤商店はお客様一人ひとりにしっかりと接客ができます。『笑みたわわ』の特長や調理のコツを伝えたり、質問に答えることで、興味を惹き、手に取ってもらえるよう全店で注力しました。クリスマス時期と重なったこともあり、結果、とても多くの方に『笑みたわわ』の米粉を購入いただくことができました」(中村さん)

スタートは好調。米粉の新定番の座を目指し、活動を継続予定

2025年11月から翌年1月末までキャンペーンを展開したことで、笑みたわわの米粉は米粉カテゴリーで最も売れた商品となりました。その数は、直営店で約2万パック、ECサイトで約7,000パックにもなるそうです。仕入れた米粉はおよそ40トンで、そのうち約30トンが売れた計算になるそうです。
最後に、今後の期待や取り組みについて皆さんに伺いました。

「2月に入り、バレンタイン需要に乗って、また『笑みたわわ』の検索件数が増加しています。年末のキャンペーンが功を奏して、当社のお客様の間での認知はかなり浸透したのではと感じています。年末は発売直後で供給が追い付かないこともありましたが、現在は安定してきましたので、引き続き広報と販売に力を入れたいですね」(中村さん)

「今回、富澤商店様でこれだけの数が売れたことは、非常に大きな意味があると捉えています。それだけパンやお菓子をつくる方が、『笑みたわわ』の米粉に興味を持って、手に取ってくださった。食品メーカーやパン・菓子の職人さんにとっては『笑みたわわは人気がある』という事実になるし、生産者にとっては『笑みたわわは売れる』という実感になる。全農・全農パールライスで連携し安定した供給体制を確立し、しっかりニーズに応えていきたい。富澤商店での成功は、新しい品種である「笑みたわわ」の認知拡大の力強い後押しになるだけでなく、生産拡大を押し進める大きな根拠にもなると思います」(中西さん)

「SNSの閲覧数も多く、レシピカードも人気です。今後もたくさんの新レシピを開発して、『笑みたわわ』の魅力を伝え、新しい定番商品となるよう販促に注力していきます」(菊地さん)

スタートは好調。米粉の新定番の座を目指し、活動を継続予定

掲げている目標は、2029年度に米粉使用量280トン。今のペースで行けば、決して難しい数字ではないといいます。「笑みたわわ」が、富澤商店の新定番から、日本の米粉の定番へと成長する未来もそう遠くないのかもしれません。

※本記事は2026年2月時点の情報です