
北海道から発信される、しっとりした口溶けと風味が評判のプラントベース・グルテンフリー米粉菓子。これまでは少量生産のため届けられない人たちも多かったTREASURE IN STOMACHの菓子が、これから量産化されることで、より多くの人の元に届けられるようになります。食事制限のあるなしに関わらず、すべての人が同じ食卓で食を楽しめる社会にしたいという同社の思いの実現へ一歩近づきました。
米粉スコーン 500~600円(税込)/1個
チョコチップクッキー 1,080円(税込)/7個
フォレノワール 756円(税込)/1個
ベイクドヴィーガンチーズケーキ756円(税込)/1個
いちごとチョコのケーキ 540円~648円(税込)/1個
サクリ焼き モグパフクッキー 300円~400円(税込)/8枚
※すべて希望小売価格
・CHaT VEGAN AND GLUTENFREE
北海道札幌市中央区南6条西23-4-26
Tel. 090-6021-6585
・CHaT VEGAN AND GLUTENFREE 札幌三越店
北海道札幌市中央区南1条西3-8
Tel. 011-271-3311
・Maison CHATONS 福岡岩田屋店
福岡県福岡市中央区天神2-5-35
Tel. 092-721-1111
・自社ECサイト(2026年4月から販売予定)
詳しくはこちら
・他社ECサイト

北海道札幌市を拠点に米粉洋菓子の製造・販売を行う株式会社TREASURE IN STOMACH(以下、TREASURE IN STOMACH)は、プラントベースとグルテンフリーを両立させたスイーツブランド「Maison CHATONS(メゾン・シャトンズ)」を運営しています。
代表の柴田愛里沙さんは、アレルギーや体質、信条、健康志向などさまざまな理由で食べられない食材が「ある人」も「ない人」も同じ食卓でおいしいを分かちあえる「One table for everyone」のビジョンを掲げて菓子づくりに取り組んでいます。
今回、柴田さんは米粉商品開発等支援対策事業を活用して、これまで自社工房での小ロット生産、そして北海道という立地ゆえの輸送遅延等の物流課題のために対応が難しかった広範な需要に応えるため、外部委託を利用した量産体制の構築に着手しました。供給能力の向上と品質の標準化を図ることで、誰もが我慢せずに「おいしい」を楽しめる食の社会を目指す同社の試みについて柴田さんに聞きました。
柴田さんが米粉菓子づくりをはじめた背景には、柴田さん自身が幼少の頃から小麦アレルギーを抱え、周囲がおいしいというものを食べられない「食の疎外感」があったといいます。気軽に食を選択できる欧米に対して、日本、特に地方都市では多様な食のニーズに対応できる環境が少ないとドイツ滞在中に痛感したとも続けます。自身と同じ疎外感を感じ、食の選択肢が限られている人たちの現状を解決したいという強い思いが、柴田さんの活動の原動力になっています。
起業当初から札幌市内の小規模な製造拠点において、原材料の選定から複雑な配合の調整までを柴田さん自らが手掛ける小ロット生産体制を維持してきました。自社工房で製造されるスコーンやケーキ、クッキーは、その洗練された風味とビジュアルから、SNSなどのデジタルメディアや百貨店催事を通じて徐々に認知が広まりましたが、その反面、供給が追い付かない事態になることも増えていったといいます。そこで、柴田さんは創業10周年を来年に控える今だからこそ、量産化に踏み出しました。


量産化への移行に際して大きな障壁となったのは、自社工房での職人的な「感覚」に基づいていた製法を、工場の製造ラインという「システム」においていかに再現するかという課題でした。柴田さんは製造委託先の選定と並行して、量産に適したレシピの再開発に取り組みました。
一般的に、プラントベースかつグルテンフリーの菓子づくりは、つなぎの卵やグルテンを使用しないため、生地の結合力が弱く、製造工程での品質管理が難しいとされています。特に米粉の場合、その産地や品種によって吸水率や粒子の細かさが異なり、製造スケールが拡大するほど品質のバラつきが生じやすくなります。
柴田さんは、事前にレシピの再調整が必要なことは予想していたといいますが、米粉の配合比率の適正化、油脂を投入するタイミングの厳密な規定、さらには大型オーブンの特性に合わせた加熱温度と時間の再設定など、数パーセント、数度単位での検証を何度も繰り返す日々が続いたといいます。
プラントベースやグルテンフリーのイメージを裏切るおいしさでリピーターを獲得するという目標を念頭に、お得意のお客さんへの試食や製造委託先と協議しながらレシピづくりは進められました。そうして「味だけでなく、サイズや食感、硬さなども調整し、しっとりとした口溶けと素材の風味を維持した量産レシピの開発に成功しました」と柴田さんは感慨深く開発過程を振り返ります。


柴田さんはグルテンフリーの菓子づくりにとどまらず、米粉という素材自体の認知向上と利用普及を自身そしてTREASURE IN STOMACHの重要な活動として位置づけています。そのひとつの活動が、SNSなどを通じた一般家庭でもできるグルテンフリー料理のレシピ発信です。
柴田さんは「菓子づくりに比べてつくりやすく、関心を引きやすい『日常の料理』からアプローチすることで、消費者の米粉に対する心理的ハードルを下げ、米粉マーケットを底上げすることを目的にしています」とその狙いを話します。
米粉は品種や製粉方法によって同じ味の再現性が低くなりがちですが、柴田さんはあえてその特性や扱いのコツを伝えることで、家庭での米粉利用の定着を図っています。
柴田さんが米粉菓子を選んだのは、まさにその再現性の難しさにあります。「菓子のほうが料理よりも家庭でつくるのが大変だから、私たちが米粉菓子をつくり、今回の補助金を活用してより多くの人に届けることで『One table for everyone』のココロを広めていきたい」と自分たちの活動に込めた想いを話します。
量産体制やレシピの構築と並行して、札幌の直営店舗や自社ECサイトに加え、百貨店への配架やECサイトへの展開も順次進めています。
今年度中には、新たに開発した米粉スコーン、ケーキ、クッキーの卸販売等を通じて、700万円の売上達成を目指しています。さらに、来年度以降の展望として、国内物流網のさらなる強化を掲げています。外部の物流倉庫を活用することで、ECサイト単体での月商100万円規模の安定した供給体制を確立するとともに、量販店への卸展開を本格化させる方針だといいます。
「特別な日のための高価なものではなく、日常の選択肢の一つとして米粉菓子をスタンダードな存在にしたい」
米粉の可能性を広く伝え、誰もが自由に食を楽しめる社会づくりを目指すTREASURE IN STOMACHの取り組みは、自身の幸福度を高めることにもつながると柴田さんは最後に話してくれました。
※本記事は2026年2月時点の情報です