即食はもちろん、離乳食や介護食、非常食にも最適な玄米粉が誕生

即食はもちろん、離乳食や介護食、非常食にも最適な玄米粉が誕生

スーパーマーケットなどで販売する惣菜の調理用に、必要な材料をセットアップした「惣菜キット」を製造・販売している山梨県甲府市の株式会社いつみ家(以下、いつみ家)。全国4,500の店舗が卸先で、製造する製品は中華・米飯・スナックなど数百アイテムに上ります。そこでは米粉も使用しており、米粉へのニーズの高まりを感じたことから米粉商品開発等支援対策事業を活用して、オリジナルの米粉商品開発にチャレンジ。開発の経緯や今後の展開について新規事業室の玉川浩二さん(写真左)と金久保栄里さん(写真右)にお話しを伺いました。

様々な用途に使える「ハイブリッド・ミール」第一弾が誕生

いつみ家のビジネスの軸はBtoB。スーパーマーケット向けの惣菜キットの販売が主となります。和洋中の料理の調理を簡便にする惣菜キットや和菓子を、クライアントの要望に合わせてアレンジして製造しています。製造可能なアイテムは数百以上。これまでも健康志向の高まりに合わせて、またソースへのとろみを付ける目的で、一部の製品に米粉を使っていたそうです。昨今では、消費者の声に対応するために米粉をメインにした惣菜やメニューはないかという問い合わせがあるなど、米粉の人気が上がっているのをじわじわと感じていたと言います。そこで今回、本事業の存在を知ったことで、いつみ家初となる小売向け米粉商品を開発しようとチャレンジに踏み出しました。

「健康に寄与できる高付加価値の米粉商品を開発しようと方針を決定。仮称で『ハイブリッド・ミール』と名付け、米粉と米粉を使った惣菜4カテゴリー20品以上の開発を目指しています」(玉川さん)

様々な用途に使える「ハイブリッド・ミール」第一弾が誕生

2025年度には第一弾となる「そのまま使える玄米粉」を完成させました。お湯やだし汁で溶くだけでおいしい玄米粥ができる米粉です。お粥だけでなく、とろみ付けとしてソースに混ぜたり、小麦の代替として使用したりすることもできます。

様々な用途に使える「ハイブリッド・ミール」第一弾が誕生

「とても便利な米粉ですが、まだまだ玄米粉は一般的には馴染みがない商品。そのため本事業を活用して公開中のYouTubeチャンネルでは、使い方例としてレシピをたくさん紹介しています。これまでも米粉を使って惣菜をつくっていたノウハウを活用し、バリエーション豊かなレシピを揃えることができました。ただお粥にするだけでなく、様々な使い方ができる便利な米粉であることがアピールできたと思っています」(金久保さん)

レシピを考える中で、米粉のヘルシーさを改めて再発見したと金久保さんは話します。YouTubeチャンネルで紹介しているマヨネーズは、「そのまま使える玄米粉」と油と酢だけでつくれます。卵を使わないので、卵アレルギーがある方にもマヨネーズを使う料理を楽しんでもらえるレシピとなりました。また一般的なマヨネーズより日持ちがするのも特長、と金久保さん。

完成した製品を「どう世の中に浸透させるか」が次の課題に

これまでも惣菜キットや和菓子に米粉を使っていたいつみ家ですが、玄米粉でつくった米粉をメインとするのはあまりないケースで、苦労もあったと言います。

「もっとも苦労したのは、粒度です。『お湯やだし汁で溶くだけで玄米粥ができる』という簡便さと完成度を目指して開発を進めましたが、米粉がダマになってしまうことが多かった。それでは食感が悪く、リピートしてもらえないだろうと、試行錯誤を繰り返して現在の粒度にたどりつきました」(玉川さん)

本事業を活用して設備を購入し、生産ラインも完成。品質を安定させるための粉砕設備も導入しました。また、包装資材も本事業を活用して新規購入しています。ECサイトも公開間近で、販売の準備は整っています。 ですが、その売り方に難しさを感じ、市場調査を進めながら現在もプランを考案中と玉川さんは話します。

完成した製品を「どう世の中に浸透させるか」が次の課題に

「希望小売価格を400円と決定しました。ただ、その価格帯の粥商品はすでにスーパーやドラッグストアにたくさん並んでいる。同じ粥の陳列棚に並べても、埋もれてしまうのです。では粉類のコーナーならどうかというと、もちろんそこにも様々な粉商品がある。新商品だからといっていままで使っている慣れた商品から変更してもらえるかというと、なかなか難しい。売り方、そして見せ方をどうするかが大きな課題です」

先に金久保さんが話したように、玄米粉はまだまだ一般的に馴染みがない商品。親しみのある商品に取って代わるには、ハードルが高いのです。今後は小売店にどのように売るか、その際にどんなプロモーションをするのかが、成功の鍵になるだろうと玉川さんは言います。

多様な活用法と合わせて幅広いターゲットへ訴求し、検証を続ける

多様な活用法と合わせて幅広いターゲットへ訴求し、検証を続ける

簡単に使えて、健康にも良い。即食はもちろん、離乳食や介護食、非常食など用途も多岐にわたる。「そのまま使える玄米粉」はたくさんの魅力を持った商品になったという自信はある。だから、今後は具体的な使い方と合わせて紹介することで、手に取ってもらえるハードルが下がるはず、と玉川さんは考えています。

「たとえばヨーグルトと混ぜる。和風版のオートミールのように使えることをアピールして、オートミールの売場に『そのまま使える玄米粉』を置くことができれば、他と違う商品として目立つでしょう」(玉川さん)

オートミールを定期的に購入する方は健康志向が高く、玄米粉が体に良いことも知っているケースが多い。選んでもらえる確率は上がるはず。今後は広報と合わせて工夫した売り込みができないか、パンフレットやWEB広告コンテンツを制作するほか、展示会などにも精力的に出店して、市場や消費者の意見をすくい上げ、販促方法を検証していく予定とのこと。金久保さんも、ゆずと合わせたりきな粉のように使ったりと、ユーザーの年齢層や属性を広く捉えてレシピのバリエーションを増やしていくそうです。

「目標だった4カテゴリー20品目の米粉商品の開発も進めていきます。それがユーザー層を広げることにつながるのです。アレンジレシピはYouTubeチャンネルで随時紹介していきます。商品のベースとなる『そのまま使える玄米粉』が完成しているので、スピードを上げて展開していきたい」(玉川さん)

何より、これまでBtoBを中心に展開してきたいつみ家が、BtoCでより多くのお客様に商品を届ける大きな一歩を踏み出せたことが、今回のチャレンジの成果だと玉川さん。今後は「そのまま使える玄米粉」を活用し、多くの消費者に受け入れられる商品をつくっていきたいと力強く話してくださいました。

※いつみ家のYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC1XbfIizIEHSAgrQTLRIErA

※本記事は2026年2月時点の情報です