高性能パワーオーブンを導入し、米粉スイーツの開発を本格化

高性能パワーオーブンを導入し、米粉スイーツの開発を本格化

東京都内でスーパーマーケットや飲食店を運営する株式会社福島屋(以下、福島屋)。1971年に前身となるお酒と雑貨の販売店を設立し、1980年に現社名に変更。スーパーマーケットとして地域の人たちの食を支えてきました。そんな福島屋では、米粉商品開発等支援対策事業を活用して、高性能のパワーオーブンを導入し、米粉商品を開発しました。今回の取り組みについて、開発責任者の田中和彦さんにお話を伺いました。

こだわり素材を使ったグルテンフリーの米粉スイーツを開発

福島屋では、パンやスイーツ、お惣菜など、様々なオリジナル商品を製造販売しており、利用客から評判を得ています。同社で新たに導入したパワーオーブンは、東京・羽村市にある本店に設置され、製造したスイーツは本店のほか、六本木店、秋葉原店、虎ノ門店でも販売しています。2026年1月末に発売された米粉スイーツは全3種類です。

「米粉のバナナパウンドケーキ」は、手でつぶしたバナナの果肉がたっぷり入り、食べごたえ満点のボリューム感が魅力です。ふんわりと焼き上げた「米粉のシフォンケーキ」は、米粉らしいしっとり・もちもちとした食感を楽しむことができます。「米粉のプリンロールケーキ」は、米粉入りのスポンジ生地にカラメルシロップをしみ込ませ、そこに生クリームとカスタードを合わせたクリームをたっぷり塗って巻いたものです。いずれの商品も、小麦粉不使用でグルテンフリーに仕上げてあります。

こだわり素材を使ったグルテンフリーの米粉スイーツを開発
こだわり素材を使ったグルテンフリーの米粉スイーツを開発

「3品とも80メッシュの米粉を使用しています。今回、4種類の米粉を検討し、サラサラとしていて混ぜてもダマにならず、焼き上がりがよかった島根県産を採用しました。この米粉はお菓子づくりに適しているものでしたが、やはり当初は米粉だけでは十分に膨らみませんでした。そこで卵の泡立て方や生地と混ぜ合わせるタイミングを調整するなどの工夫をして、満足のいく膨らみを出すことができるようになりました」と田中さんは話します。

この3品は、オーガニックのココナッツシュガーやノンケミカルのベーキングパウダーを使用するなど、米粉以外の素材にもこだわっています。今後は各店で週2~3回販売を行い、動向を見ながら製造体制を整えていく予定です。

高性能パワーオーブンの導入で作業効率もアップ

米粉スイーツの開発にあたり、福島屋では最新型の高性能パワーオーブンを福島屋本店に導入しました。田中さんたちは、業務用オーブンとして評価が高いメーカーであること、密閉性が高く、安定した火力をキープできること、使い勝手の良さなど、様々な観点から検討し決定しました。

オーブンの設置は2025年12月上旬でしたが、商品の開発は先行して進めていたので、設置後すぐに試作に取りかかることができ、2026年1月末に3品同時に発売できました。
田中さんは「実際に使ってみたところ、火力が安定していて、オーブン内の温度変化やムラが少ない。膨らみに課題があった米粉の生地も、いい感じに焼き上がるようになりました」と効果を実感しています。

高性能パワーオーブンの導入で作業効率もアップ

これまで使ってきたオーブンよりもよい仕上がりになることに加え、焼き上げ時間の短縮や一度にできる量が増えるので、業務の効率化も期待できるとのこと。田中さんは「新型オーブンには、様々な機能が搭載されています。当面は機械の扱いに慣れる必要があるので、マニュアルで操作していますが、慣れてきたら商品ごとに異なる設定温度や焼き時間などをプログラムに設定し、スタッフの負担軽減と効率アップを目指します」と新機器への期待を話してくれました。

“テイスティング・マーケット”福島屋として目指すこと

“テイスティング・マーケット”福島屋として目指すこと

今回、3種類の米粉スイーツを発売した福島屋では、米粉クッキーの開発も並行して行っていました。しかしクッキーは米粉の特徴の一つであるサクサク感が出すぎてしまい、完成には至らなかったとのこと。今後はこの部分を調整しつつ、商品化を目指していきます。

さらに「今回の米粉スイーツの商品化で、これまで5kgずつ購入していた業務用米粉を、20kg単位で仕入れるようになりました。また、近年は当店でもグルテンフリーやアレルギー対応製品のニーズが高まっているので、スイーツやパンに加え、お惣菜などでも米粉を活用し、消費拡大に貢献したいと考えています」とも話してくれました。

福島屋では顧客に向けた取り組みとして、季節の注目品や新商品を紹介するイベント講座を本店と虎ノ門店で毎月2回開催しています。米粉製品についても、今回開発した米粉シフォンの紹介を兼ねて2回開催したところ、参加者からの反響もよかったそうです。

“テイスティング・マーケット”をコンセプトに掲げている福島屋では、利用者に季節感や新しい味わい、食の楽しみを広げてもらいたいと、スタッフが産地で見極めた確かな品を提供することに注力しています。
「当社各店で販売しているお米は、東北の契約農家から仕入れているものです。今回の米粉スイーツは島根県産の米粉を使用しましたが、将来的には店で扱っている米からつくった米粉で製品づくりをしたいです」と話してくれました。

これからも“テイスティング・マーケット”福島屋から生まれる魅力的な米粉商品の数々に、注目が集まっていくことでしょう。

※本記事は2026年2月時点の情報です