
「可愛くて、おいしくて、体にやさしい」というコンセプトでヒット商品を続々と販売している合同会社こぐま商店。創業から3年で大阪の人気スポットにある百貨店に出店を果たし、また外資系ホテルのウェルカムスイーツにも採用されています。「マルクテホロホロ」はこぐま商店の初のオリジナル商品となる米粉の雪玉クッキー。名前のとおり、口の中でほどけるように消えていく、やさしく甘いクッキーです。
580円(税込)/10個
・こぐま商店
大阪府河内長野市向野町559-1
Tel.0721-81-7410
・自社ECサイト(販売予定)
詳しくはこちら

国産米を100%使用し、職人が昔ながらの手仕事で焼き上げる本格おかき「クマオカキ」が大人気となり、メディアに多数取り上げられ、創業からわずか3年ほどで大阪市内にある人気スポットの百貨店にも出店を果たした合同会社こぐま商店。それ以降も発売する商品は次々とヒット。京阪神をはじめとした外資系高級ホテルのウェルカムスイーツに採用されるほど。その成功までの軌跡と、見据えている未来について、代表の熊岡祐紀さんに米粉商品「マルクテホロホロ」の抹茶味の誕生と合わせてお話しをうかがいます。
「新たに開発した『マルクテホロホロ』の抹茶味は第2弾。最初にプレーン味を発売しています。『マルクテホロホロ』は、こぐま商店の初めてのオリジナル商品。そこには『河内長野市の名前を後世に伝えたい』という思いが詰まっているんです」
と話す熊岡さん。代表おかきの「クマオカキ」に始まる数々のヒット商品は、実は様々な製造元がそれぞれつくり、こぐま商店の名前で販売しています。そのどれもが、「マルクテホロホロ」まで貫かれている「河内長野市に貢献したい」という熊岡さんの思いから誕生しました。

「もともと私は料理人。独立して河内長野市に焼肉店を開きました。そこが軌道に乗り、別業態でクレープ店も出店。順調に見えましたが、10年目を目前にしてコロナ禍の時短要請と営業自粛でお店は思うように営業できなくなってしまいました」
開店してもお客様がほとんど来ない状態で迎えた10周年。なにかアクションが起こせないか、と考えている時に、アルバイトが老舗おかき屋さんの社長の親戚だと知り、相談に乗ってもらいました。

「うちの焼肉店は、有名な地元のお米屋さんと知り合えたことで、特別なブレンドを提供してもらっていました。それが評判で『お米がおいしい焼肉店』とお客様に喜んでもらえていたんです。それでお米に縁も恩も感じていたこともあり『10周年の記念品をおかきにしよう』ともちかけたのです」
こうして老舗おかき屋とコラボすることで「クマオカキ」が誕生。最初はお店の贈答品だったのです。熊岡さんはお世話になった人にそのおかきを持って挨拶に。その可愛さと味が好評を博し「うちも記念品に使いたい」という声が次々と。あまりに反響が大きくなり、熊岡さんは別会社を設立して販売を始めることになったのです。
「お世話になった人に喜んでもらえた。知り合いの親族の役に立てた。地元が元気になるのに、少しでも貢献できたかな、と嬉しくなりました」
コロナ禍の焼肉店店主の異業種へのチャレンジが話題となり、メディアの取材が相次ぐように。それを見た別業者からも「うちの商品をこぐま商店で販売してほしい」と声がかかりました。熊岡さんは「地元のためなら」と、ヒットしたらレギュラー商品にして継続販売すると話して販売を引き受けていきました。その姿勢も話題となり、出す商品は次々とヒットしていったのです。
「企業として育てていただいた河内長野市に貢献したい。その理由は河内長野市が、大阪府で消滅可能性自治体として上位に選出されているからです」

大阪府の中心から遠く、大きく際立った特産物が少ない河内長野市では、人口が急速に減少していると言います。こぐま商店の名前を通し、企業の誘致などにも尽力してみましたが、うまくいかず。人口の減少は緩やかになったものの歯止めが利かないのだそう。「大阪府の消滅可能性自治体」というのは、 目の前の現実、と熊岡さん。
「いまは全国で有名になる商品をひとつでも多く、こぐま商店で生み出したい。商品を見て『河内長野市って良い物をつくってるね』と思ってもらいたい。外資系ホテルのウェルカムスイーツを気に入った海外の方に『河内長野という場所があるんだ。お菓子を買いに行ってみようかな』と思ってもらいたい。そうなれば、もしも市がなくなってしまっても、名前だけでも後世に残ると思うのです」

そんな思いで様々な商品を発売し、順調に日本全国に販路を広げてきたこぐま商店。「やはり自社商品を」という思いでクレープ店の職人さんがつくったのが米粉の雪玉クッキー『マルクテホロホロ』でした。プレーンはテスト販売をしたところ、またたく間に完売。
「より広く国内外の人に手に取ってもらいたい。そう考えた時に抹茶味を思いつきました。ちょうどそのとき、米粉商品開発等支援対策事業の存在も知ったのです」
それまではすべての商品が手づくり。製造機材もクレープ店と兼用だったそうです。それではスピードを上げて河内長野の名前を広めることができない、と本事業を活用。自動計量器や食洗機、冷蔵庫に冷凍庫、冷凍ストッカー、そしてガス高速オーブンを購入。その他にも人が手仕事でこなしていた作業を自動でできる機器をそろえました。これによって製造効率は劇的にアップし、省力化と効率化も実現しました。
例えば、焼成は1回20~30袋から、ガス高速オーブンの導入で100~150袋に。袋詰めも、手計から自動計量器に変わることで、1時間600袋と2倍以上のスピードを達成しました。
「機器を導入して自動化された工程も多く、スキルや経験を問われる作業が減りました。新たに製造担当を募集する予定。雇用で少しでも地元に貢献したいというのもいつも考えていますから」
抹茶味の製造が強化されれば、まずは自社店舗で販売を開始し、そこで売れるという実績ができてから近隣各店舗へ営業活動をスタートするそうです。
「抹茶味はとても人気が高い。きっと人気の定番商品になって、すぐにたくさんの方のお手元に届けられると思います。目標は5年後に2万袋以上の販売。ファンの多い抹茶味の商品なら、必ず達成できると期待しています。そしてまた河内長野の名前が、誰かの記憶に刻まれるはず。先ほど話したように、私と米は縁が深い。だからマルクテホロホロも米粉を使っているんです。これからは機器を活用し、地元食材を使ったお饅頭やわらび餅も企画しています」
市としては地図から名前が消えるかもしれないけれど、河内長野が人の記憶に残り続けるように。そんな熊岡さんの思いを、米粉でつくられるお菓子が実現していくのです。

※本記事は2026年1月時点の情報です