
横浜市内で米粉を使ったグルテンフリーメニューを15年以上にわたって提供してきたカフェが、このほど特定原材料等28品目不使用のブレッドとクッキーをはじめて開発。南会津産米にこだわり、玄米粉特有の香ばしさをうまく生かした商品は、誰もが安心して食べられる喜びをもたらすだけでなく、南会津の農家の米づくりを支え、米文化の大切さをこれからも伝えていきたいという開発者の思いが詰まっています。
フリーセレクション グルテンフリーブレッド 1,080円(税込)/6個入り
フリーセレクション グルテンフリークッキー 3,800円(税込)/クッキー2種20枚入り
・o-cafe(オー・カフェ)
神奈川県横浜市中区吉田町6-1 第3共同ビル1F
Tel. 045-231-5215
・自社ECサイト(2026年3月販売開始予定)
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・他社ECサイト

神奈川県横浜市にあるグルテンフリーメニューが人気のカフェ「o-cafe(オー・カフェ)」は大木哲史さんが代表を務めるOS WORKS合同会社(以下、OS WORKS)によって運営されています。同社はオー・カフェのほかにも米粉・玄米粉の菓子や食品を販売する「ベイクラボ」を運営し、横浜市から「自然の豊かさ」を届けています。
15年以上前から米粉を用いた商品づくりに携わってきた大木さんが、米粉商品開発等支援対策事業を通じて今回取り組んだのが、大木さんにとってはじめてとなる特定原材料等28品目フリーの玄米粉商品の開発でした。 完成したのは、サクッとした食感と米の甘みが調和したクッキーと、玄米粉の香ばしさが漂うブレッドの2種類。「フリーセレクション」というブランドを掲げて、これから28品目アレルゲンフリーの商品ラインアップを増やしていきたいと大木さんは話します。
大木さんの米粉商品づくりでは、一貫して福島県南会津産の米を使用してきました。南会津という場所と切り離せない思いが活動の根底にあります。福島県南西部の自然の中で育まれた米は、大木さんにとって単なる原材料ではなく、自身のルーツそのものと言えるものなのです。
「自分が今米粉でパンやクッキーをつくれているのは、南会津のおいしいお米と、それを守ってきた農家さんたちがいたからなんです。だから、次は自分がお米に新しい価値を付加して発信することで、農家さんたちに恩返しする番だと思っています」と大木さんは、活動の原点について話します。

大木さんはおばあさんや親戚の家でつくる米を幼少から食べてきました。いわば南会津産の米で成長してきたといっても過言ではありません。
「その南会津の米農家も他の地域と同様に、農業従事者の高齢化や後継者不足、そして米価の低迷という課題を現在抱えています。だから、自分が手がける米粉商品に南会津産の米を使い続けることで、少しでも農家さんの利益になればと思っています」と強い思いを語ります。
大木さんの活動は、単なる産地支援を超え、米でつくる商品に28品目アレルゲンフリーという付加価値を与えることで、農家がその仕事に見合った対価を得られる仕組みづくりと、米づくりの意欲を支えるための試みでもあります。

今回の商品開発において、大木さんが心掛けたのは28品目の食物アレルゲンを排除しながら、食品としての品質を安定させることです。一般的なグルテンフリー商品では、食感や風味を補うために卵や乳製品、あるいはアーモンド等のナッツ類が使われることがありますが、大木さんはそれらを一切使わずに、アレルギーに悩む人が満足できるおいしさを追求しました。
大木さんが使用する「ひとめぼれ」は、米粉にするとベーキングパウダーとの相性が良く扱い易いといいます。それでも、温度や湿度を精密に管理しながら何度も焼成テストすることで、玄米特有の香ばしさと栄養価を損なわいレベルにようやくたどり着けたそうです。これには、ヴィーガン料理のシェフからヒントを得た、パンを柔らかくする効果があるクロレラエキスが大いに役立ちました。
アレルゲンフリーにこだわった大きな理由は、子どもたちがアレルギーを気にせず安心して食べられる喜びを与えたいという思いです。大木さんが子どもたちにもたらすのは、食べる安心と喜びだけではありません。農家が抱える課題など米づくりの現実や米文化の大切さを伝えることです。
大木さんは小学校や農業高校の特別講師として「自分たちの地元でつくられているお米がどれほど価値あるものか。そして、自分たちが何を食べるかを選ぶことが地域の農業や未来をいかに変えていくか」を教壇から伝えています。こうした啓蒙活動は、単なる知識の伝達ではなく、お米を通じて自分たちのルーツを大切にする心を育む、社会貢献としての側面を持っていると言えるでしょう。
今回の商品開発を経て、OS WORKSは月間50万円の売上増加という目標を掲げています。この達成に向け、同社は補助金を活用して大手ECサイトへの出品や自社ECサイトの体制強化による全国への拡販体制を整備するとともに、OEMでの供給拡大に向けた交渉を進めています。アレルゲンフリー対応商品を顧客に提供したい同じ横浜市内の企業からすでに引き合いがあるといいます。大木さんは「今後も南会津産玄米粉を使ったフリーセレクションシリーズを充実させて、多様な米粉商品をつくっていく予定です」と企業や消費者のニーズに対する受け皿を充実させていくと話します。

しかし、大木さんのビジョンはさらにその先にあります。それは、思い入れある南会津にアレルゲンフリー商品専用の製造拠点を設立することです。
「現地に製粉や商品製造できる加工場を設けることで、農家さんから直接お米を買い取るだけでなく、輸送コストの削減も可能になります。何より新しい雇用を生む場所になれば、地域はもっと活気づくはずです」と、大木さんは展望を語ります。
さらに、将来的にはこの拠点を軸に、都市部の人たちを招いた農業体験やツアーを開催して、米を通じた新しい交流を生み出したいと、夢のある構想を最後に語ってくれました。
※本記事は2026年2月時点の情報です