
もち粉の弾力性を生かした「おもちかすてら」は、もっちり、しっとりとした食感が持ち味。「あいちのかおり」の米粉と「やわ恋もち」のもち粉、もち米由来の本みりんを使用し、上品な甘さに仕上げました。開発には3年を要し、常温で1か月保存可能。グルテンフリー・蜂蜜不使用で、海外で評価の高い「ゆず」は果実(果皮)を増量して刷新しました。
各750円(税込)/3個(125g)
・自社ECサイト
詳しくはこちら
・抹茶文庫(直営店)
愛知県江南市古知野町北屋敷78
Tel.0587-51-2110(法人向け直販の相談もこちら)
・名古屋市内のアンテナショップ

「おもちかすてら」は、ISOコーポレーション代表取締役の礒喜久代表が開発した、100%国産の米粉を使用したカステラです。
礒さんは金融機関を定年退職後、もちの新たな可能性を探求し、65歳で起業。3年間におよぶ試行錯誤を重ねて完成させた「おもちかすてら」は、各種ビジネスコンテストに入賞するなど、技術と事業モデルの独自性が評価されています。
商品開発の原点は、小麦アレルギーの人でも食べられる食品をつくりたい、日本の米農家を守りたいという思いでした。礒さんは国産米粉ともち粉を使ったカステラの開発に取り組みます。
「離乳食にも使えるものをイメージした」と礒さん。保存料などの食品添加物は使わず、乳製品や蜂蜜、小麦も一切使用しない。原料はすべて国産とし、誰もが安心して食べられる菓子づくりを軸に据えました。
しかし、もち由来の菓子は時間が経つと硬くなりやすい課題がありました。そこで着目したのが、愛知県と農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)が開発したもち米の新品種「やわ恋もち」。時間が経っても硬くなりにくい性質が特徴とされます。うるち米には、愛知県で作付けの多い「あいちのかおり」を採用。これら2種類の米粉をブレンドした生地構成で開発を進めました。

しかし、小麦粉を使わずに米粉だけでカステラを成立させようとすると、「パサつき」やもち粉由来の「べとつき」、「高さが出ない」などの課題が立ちはだかります。この分野では製パン大手や菓子メーカーが試作を重ねた末に撤退した例も少なくありません。礒さん自身も、「簡単ではないことは最初から分かっていた」と振り返ります。
レシピ検証は地道に積み重ねられました。米粉ともち粉の配合比率を5%刻みで試作を重ね、温度条件や焼成方法も変えながら、べとつきを抑えつつ、ふっくらとした食感と高さを両立できる「着地点」を探り続けました。
「試作を重ねるたびに課題が見え、その都度、条件を組み替える繰り返しで米粉の加工技術を確立できた」と礒さんは話します。
さらに、生地に三河特産の本みりんを加えたことも功を奏しました。もち米を原料とする本みりんはもち粉との相性が良く、生地にしっとり感を持たせ、保存性を高める役割も担っています。アルコール分は焼成で飛ぶため残りません。冷凍しても約1時間で自然解凍でき、焼き立てのようなしっとり・もっちり感がよみがえります。
こうして「オール愛知」の素材を軸に、「おもちかすてら」の原型が形になったのです。

技術の積み上げは、販売のあり方にも影響を与えました。「おもちかすてら」は、量販店では販売せず、企業のオーダーメイドに特化したBtoBの受注生産を主軸としています。包装紙や巻紙に企業名を入れて提供することで、顧客企業の専用商品として展開してきました。
営業組織はあえて持たず、「商品が宣伝マンになる」という方針を貫いています。試食や利用シーンを通じて評価が広がり、口コミによって次の受注につながる自走型の販売モデルです。個人向けにはECサイトや、ごく限られた実店舗でのみ販売し、流通を広げすぎない姿勢も一貫しています。
時間をかけて磨き上げた品質と、用途を絞り込んだ販売戦略。その両輪がそろったことで、「おもちかすてら」は次の段階へと進む準備を整えました。
「おもちかすてら」は、年齢や体質、国や文化の違いを越えて受け入れられることを目指して設計された商品です。米粉商品開発等支援対策事業により、2025年10月、シンガポールで実施した3日間の試食販売は、その思想が海外市場においても通用することを示す検証の場となりました。


試食販売に用意したのは、「ぷれーん」「まっちゃ」「ゆず」の3種類。国内市場での主力である「ぷれーん」を中心に数量を組みました。結果は想定と異なりました。3日間で合計約400個を販売する中、「ゆず」は初日で完売。「まっちゃ」も2日目に完売しました。一方、日本では最も支持の厚い「ぷれーん」は、相対的に残る結果となりました。
この反応について、礒さんは次のように振り返ります。
「現地で強く求められていたのは、単なるカステラではなく中身のプラスアルファでした。柚子ピールを入れた試作品が好評で、果肉や実のあるものが好まれることが明確になりました」
この経験から、海外市場では香りやイメージだけでなく、素材感や具材が見えることが購買行動に大きく影響するという認識が深まります。
こうした気づきは商品改良へと反映されました。シンガポールでの反応を踏まえ、果皮の配合を見直し、抹茶を増量、より素材感を強めた仕様へと改良。さらに、果肉を使った新フレーバーの開発も進め、イチゴはすでにテスト段階を終えています。
シンガポールで得た知見をもとに、その後は香港で生放送テレビショッピングに出品し、大きな反響が得られました。国内で磨き上げてきた品質と、海外市場での実践から得た学びで、国産米粉ともち粉のハイブリッドの強みを生かし、「おもちかすてら」は世界に向けて進化し続けます。
※本記事は2026年1月時点の情報です