
国産米粉を主原料に小麦・卵・乳を使わず焼き上げたクッキーシリーズ。「国産米粉のショートブレッド」は、塩、黒蜜きな粉の2種のフレーバーを開発。米粉の自然な甘みと、ほろっと軽い食感が特長です。「国産米粉とおからの堅焼きスナック」は、砂糖不使用で、塩麹の旨みを生かした歯応えのある固焼きタイプ。日常のおやつとして手に取りやすく、材料を制限してもおいしいお菓子を形にしました。
国産米粉のショートブレッド 各360円(税別)/45g
国産米粉とおからの堅焼きスナック 370円(税別)/35g
・卸およびOEM
有限会社エムケイアンドアソシエイツ
東京都目黒区南3-12-19-101
Tel. 03-5701-0420
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・小売
自然食品店、病院売店、高級スーパー、各社ECサイトなど

パン工房の傍らで生まれた約50年にわたるクッキー製造を受け継ぐ有限会社エムケイアンドアソシエイツ。自社ブランド「茎工房」やOEMで添加物に頼らず素材を生かした菓子づくりを続けてきました。近年のグルテンフリー志向や国産原料への関心の高まりを背景に、米粉を使った焼き菓子の可能性に着目。同社代表の犬飼ちづるさんに、国産米粉クッキーシリーズの新商品開発の道のりと展望を聞きました。
「当社の菓子づくりは、健康志向やアレルギー対応を目的に始まったものではありません」と犬飼代表は語ります。パンより日持ちする商品として始まったクッキー製造。素材を生かし、余計なものを加えないという姿勢はパン工房時代から培われ、その延長線上で卵や乳を使わない焼き菓子が生まれました。
コンタミネーションのない専用工房で製造される焼き菓子は、病院売店や自然食品店を中心に支持を集め、卸売やOEMで全国へ広がっていきました。

近年、犬飼代表が意識するのが、小麦を控えたい人の増加と、日本人にとって身近な米の価値です。「国産で安定的に供給できる米を生かし、嗜好品として満足感のある菓子を幅広くつくりたい」。そうした思いから、米の消費拡大や産地支援にもつなげるべく、米粉商品開発等支援対策事業を活用し、国産米粉クッキーシリーズの商品カテゴリーのひとつである国産米粉のショートブレッドの改良と新フレーバーの開発を本格化させました。

国産米粉のショートブレッドは、国産米粉にアーモンドプードルを配合した生地を正方形にカットして、風味豊かに仕上げた焼き菓子です。従来のプレーンやリッチカカオ(ココア)に加え、新たに完成させた「塩」は米粉の自然な甘みを引き立て、「黒蜜きなこ」はやさしい香ばしさが特長。米粉との相性がよく、日本人になじみ深い和素材を選び、できるだけ国産原料を生かせるフレーバーを重視しました。
並行して開発が進められた「国産米粉とおからの堅焼きスナック」は、同社初のスナック分野への挑戦です。最初に完成させたフレーバーは、塩麹オニオンです。「砂糖不使用でも満足感のある味を目指し、あえて歯応えのある食感と塩麹の旨みを軸に設計しました」と犬飼代表。噛むことで心身の健やかさにもつながるという裏テーマも込めました。今回のオニオンに加え、今後順次、トマト、ジンジャー、ガーリックなどの野菜を使った新フレーバーを完成させていく予定です。
グルテンを含まない米粉は生地がまとまりにくく、成形や食感調整が難しい素材です。柔らかさと食べやすさ、製造面での作業効率を成立させることが、大きな課題でした。
開発では「粘らない米粉をどうつなぐか」という根本的なテーマに向き合い、米粉の配合率や油分の加え方を細かく調整。試作を重ねる中で、食感と成形性のバランスを見出しました。また、将来的に多様な産地の米粉を活用できるよう、特定銘柄に依存しないレシピ設計も意識しています。


手作業が主体だった製造面では、ミキサーや高性能オーブン、シーラーの導入により、生地の安定性と生産性が向上。仕込みから焼成、包装までの生産効率が大きく改善し、品質の安定化とコスト合理化を同時に実現しました。本事業を活用したこれらの設備投資により、5年後の2029年度には米粉の使用量を2024年実績の約5.3倍に拡大し、販売数量も約5.3倍に伸ばすことを目指しています。
犬飼代表は、素材としての米粉の魅力について「クセがなく、配合さえ工夫すれば非常に使いやすい素材」と話します。つながりにくさという弱点はあるものの、それを克服すれば、菓子にとどまらず多様な商品展開が可能だと感じているといいます。特に、おからなどの副産物を抱き込める米粉の焼き菓子は、食品ロスや地域課題へのアプローチにもなりえます。
「今後は海外展開も視野に入れ、日本の米文化や素材の背景を伝えながら、米粉の焼き菓子を新たな日本の定番として発信していきたい」と犬飼代表。各商品のフレーバーを順次増やして商品群を確立していく構えです。バリエーション豊富な米粉の焼き菓子が日常の選択肢として広く定着することが、日本の米文化を次世代につなぐ契機となることでしょう。

今回の商品開発事業による商品ラインナップの拡充で、既存の販路に加えて、OEM受託やEC販売の拡大を見込む犬飼代表。健康志向やアレルギー対応などの社会ニーズに応えることで、安定した需要を創出し、国産米粉の継続的な利用拡大につなげていく考えです。
※本記事は2026年1月時点の情報です