定番商品の衣を米粉100%にリニューアル。米粉利用促進を目指す

定番商品の衣を米粉100%にリニューアル。米粉利用促進を目指す

株式会社アサヒブロイラーは、JA全農グループに属するJA全農チキンフーズグループの一社。主に関東を中心に、鶏肉を使った中食商品を製造・販売しています。今回、アサヒブロイラーが全店で販売している『木桶醤油から揚げ』のリニューアルに、米粉商品開発等支援対策事業が活用されました。その経緯と成果について、アサヒブロイラーの小原律子さん・全国農業協同組合連合会の中西一洋さんのお二人にお話しをうかがいます。

全農グループを挙げての米粉利用促進をアサヒブロイラーが牽引

「木桶醤油から揚げ」は、発売7年になるアサヒブロイラーの定番商品。6ブランド約40店舗ある直営店すべてで販売されています。醤油には200年以上続く醤油蔵「弓削多醤油」の杉の木桶仕込み製法でつくられた木桶醤油・有機醤油の2種類をブレンド。鶏肉は国産銘柄「鹿児島いいとこ鶏(一部店舗は「つくば鶏」)」のもも肉を使用。さらに衣は国産米粉という、国産材料へのこだわりが特徴。その他にも、にんにくは不使用で、国産生姜の味付けとなっており「国産かつ醤油とお米という和の組み合わせ」「米粉が健康に良さそうで、揚げ物の罪悪感が少ない」と、年齢性別問わず人気があるそうです。

全農グループを挙げての米粉利用促進をアサヒブロイラーが牽引

その人気商品を大きくリニューアルした理由は、いくつかのタイミングがうまく重なったからだと、小原さんは話します。
「前回のリニューアルから5年ほど経過し、市場の変化に合わせてブラッシュアップを、と思っていたのです。そのタイミングで、中西さんからお話しをいただき、米粉商品開発等支援対策事業も活用することができる、ということでリニューアルに踏み切りました」

同じくJA全農のグループ会社である全農パールライス株式会社が米粉を開発したので使ってみませんか、というのが中西さんからの提案だったそうです。
「大手食品メーカーが米粉を使った冷食を発売するなど、米粉商品のバリエーションは増えています。それに合わせて健康志向の伸長などもあり、米粉の需要は年々伸びているのです。そこで全農パールライスが米粉専用品種『笑みたわわ』を使ってオリジナルの米粉を開発しました。全農グループを挙げて、その販売促進をしようと声をかけたところ、アサヒブロイラーが手を挙げてくれたのです」と話す中西さん。
『笑みたわわ』は砕けやすい特徴があり、少ない力で粉になります。そのため粉砕時の摩擦熱が抑えられ、デンプン損傷が低くなります。パンに向く品種と言われていますが、粒子の細かい米粉であるため、薄衣になったり、唐揚げでも特徴がでるのでは、と考えたそうです。

「これまでの衣は米粉配合16.6%。それを笑みたわわ100%に変更したのが今回のリニューアルです。同じ米粉の唐揚げだったため、開発はスムーズだと思っていたのですが、すべて米粉になることで、様々なハードルがありました。新商品開発と同様の苦労がありました」
と笑って話す小原さん。苦労と共に様々なプラスの発見もあったといいます。

難航したリニューアル。その甲斐あって米粉の魅力が伝わる商品に

難航したリニューアル。その甲斐あって米粉の魅力が伝わる商品に

特に苦労したのは、米粉100%に変更した良さを出すことだった、と小原さん。 「小麦粉やデンプンの衣と比べると、米粉は時間が経つとべたっとした食感になってしまいます。それでは油がくどい印象になる。中食は買ってから食べてもらうまで時間がかかります。べたっと感が解消されるよう、できるだけ衣を薄くできないか、延々と試行錯誤を繰り返しました」

そこで発揮されたのが笑みたわわの特徴だったそうです。粒子が細かいことで少量の油でもしっかりと鶏肉を覆うことができるのだそうです。結果、冷めてもべたっとならず、パリッとした食感が味わえる唐揚げになりました。

「衣が薄いため、オーブンでリベイクするとパリッとした揚げたての食感が戻ってくるのも特徴。粒子の細かさは、漬け込み時間の短縮にもつながりました。より良い製品にワンランクアップした印象です」
米粉は給油率が低いため、他の唐揚げに比べて油分由来のカロリーが低いのも特徴。揚げ物への罪悪感を低減させてくれるのにつながると小原さん。
そんな米粉ならではの良さをアピールするため、リーフレット作成の予定を変更し、パッケージのリニューアルに補助金を活用しました。

「必ず目にしてもらえるフタの裏に素材のこだわりや特徴を紹介するのに合わせ、笑みたわわの説明も記載してもらえました。新商品の知名度向上に大きく貢献いただいたと感じています」と中西さんは笑顔で話します。

唐揚げの成功を糧に、様々な商品で米粉の利用促進を図る

「アサヒブロイラー全店で、月に約20万個の唐揚げを販売しています。重さは月間約7トン。衣に使われる米粉は、唐揚げの重量の約10%なので、概算すると月間700kgほど利用を促進できていることになります」

改めて米粉の長所が発見できたという小原さんは、今後についても明るいイメージを持っていると言います。
計画ではさらに米粉の利用促進と浸透をねらい、主力商品である焼き鳥のつくねなどにも練り込むことを考えているそうです。5年後には目標として、年間16トンの米粉消費を掲げていますが、達成できるだろうとのこと。

唐揚げの成功を糧に、様々な商品で米粉の利用促進を図る

「米粉にはグルテンフリーなどの健康的なイメージがあります。また、国産のお米を使っていると言うことで、高齢のお客様に安心して手に取っていただける材料にもなります。おいしさはもちろんですが、そういった米粉の特徴や魅力を活用しながら、多様な商品を展開していきたいと思っています」(小原さん)

今後はSNSなども活用して、アサヒブロイラーが販売する「国産にこだわった、おいしい鶏肉と米粉のお惣菜」をアピールしていきたいと話してくださいました。アサヒブロイラーのお店に、笑みたわわを使った商品がよりたくさん並ぶことになりそうです。

※本記事は2026年1月時点の情報です